KDDSのブログ -9ページ目

KDDSのブログ

 慶應発達障害支援会 (KDDS:Keio Developmental Disorder Support) は、発達障害児の支援をする学生団体です。
KDDSは、応用行動分析学に基づいた療育方法を用いて発達障害児の支援を行っております。

KDDS2年の久保です。6月29日に実施したピアトレについて活動報告をさせていただきます。

ピアトレ・・・ピアトレーニング:同年代の仲間(peer)同士のコミュニケーションを通じて社会性やコミュニケーション能力の向上を目的とした集団活動です。


『ターゲット行動(当日のピアトレの目標)』

全体:依頼する

小さい子:声のボリュームに注意する、適切な声の大きさで話す

大きい子:言葉遣いに気をつける

今回も小さい子と大きい子同士の活動でした。子供たちは学生のサポートを受けながら異なる年齢の子供と共に活動を行いました。


『全体のプログラム』

① 歌とダンス

② どうする? ○○ちゃん

③ お弁当を作ろう!

④ お弁当を取り返そう!


『活動ごとの詳細』

① 【歌とダンス】

○この活動のターゲット

全体:ルールを守る


<活動の流れ>

① 円になり、折り紙で作ったカエルを真ん中に置き、それを囲むように子どもを立たせる。

② 「カエルのがっしょう」を歌いながら、椅子取りゲームの代わりに、カエル取ゲームをする。「かえるの~くるよ」で回りながら手を叩く。「くわっ、くわっ~」で手をぐるぐるする(難しい子は大きく手を叩いたりする)

③ MTの「ストップ」の声で回るのをやめ、かえるをとる

④ とれなかった人(最初は大人)がぬけて、②、③を繰り返す

<感想>

前回と同様の活動です。みんな、ルールを意識しながら活動を行うことができました。歌に合わせて体を解しながらゲームを行いました。ピアトレの最初の活動としていいスタートダッシュを切れたと思います。


② 【どうする? ○○ちゃん】

○この活動のターゲット

小さい子:その場に合った適切な助けの求め方を学ぶ

大きい子:言葉遣いに注意して助けを求める


<活動の流れ>

①登場人物が不適切な発言や行動をする劇を見てもらう。

②劇に対してそれぞれ登場人物がするべき行動を子供たちに考えて、答えてもらう。(挙手制で)

③改善版の劇を見てもらう。

④劇の登場人物になりきり、子供たちは大人とペアになり、練習する(上手にできた子は、子ども同士でも練習させてみる)。

⑤みんなの前で発表してもらう(挙手制)。1つの劇につき2~3人発表する。また、ペアで上手に練習できた子は、ペアでの発表もさせる)。

⑥①~⑤を3回繰り返す


<感想>

劇中の間違っている箇所を見つけて、改善点を考えることができました。大きい子は具体的に指摘し解決策を考えてくれました。おかげで、とてもスムーズに進行できました。その後、それを踏まえて正しい受け答えを発表しました。今回のシチュエーションは小学校での1コマであったため小さい子には理解しがたいものでした。どのお子さんもターゲット行動を達成してそれを実生活に応用できるようにしたいです。


③【お弁当を作ろう!】

○この活動のターゲット

小さい子:依頼する、声の大きさに気をつける。(大きい声と普通の声の区別)

大きい子:依頼する、言葉遣いに気をつける。(敬語の使用)


<活動の流れ>

小さい子

①大きい子とペアになって活動する。

②大きい子に頼まれた食材を、大人からもらう。

③大きい子におかずを作るために必要なものを伝える。

④大きい子がおかずを集めている間に、お弁当箱に色を塗る。

⑤大きい子と一緒にお弁当を詰める。2段目のご飯に、絵を描くことでふりかけや梅干をのせる。


大きい子

①小さい子とペアになって活動する。

②小さい子に、必要な食材を伝える。

③小さい子が食材を集めている間に、お弁当箱の土台を切る。

④小さい子から必要なおかずを聞き、おかず作りに必要な食材を持って「料理屋さん」に行き、おかずをもらう。

⑤小さい子と一緒にお弁当を詰める。お弁当箱の組み立て方を大人に教えてもらいながら組み立てる。テープを小さい子に借りながら組み立て、おかずを箱に詰める。


<感想>

自分たちで材料を集めて工作を行ったので非常に達成感があったと思います。活動の様子を見て、子供同士での依頼が少し難しかったかなと実感しました。特にお互いの目を見て会話を行うのが難しいです。大人の手を借りて何とかターゲットが達成できました。この活動ではチームごとのスキル差が目立ってしまいました。子供たちにとって苦手なことがあっても、十分に取り組みやすい活動構成を考えていきたいです。


④【お弁当を取り返そう!】

○この活動のターゲット

小さい子:依頼する

大きい子:依頼する、言葉遣いに気をつける。(大人に対しては敬語を徹底する)


<活動の流れ>

① 2人のペア(工作の活動と同じペア)を作り、そのうち1人を赤チーム、もう1人を青チームとする。MTが青チームの子にヒントの紙を渡し、紙に書いてある動植物のところにペアで移動する。

② 動植物のところでおかずを同じペアの他チームの子に依頼して取る(おかずは「赤いところ」か「青いところ」に置いてあり、「赤いところ」は赤チーム、「青いところ」は青チームしか取れない)。

③ 動物や植物から子どもにヒントの紙を渡し、紙に書いてある通りにお弁当を探す。

④ お弁当のおかずを集め終わるまで②③を繰り返す。

<感想>

 小さい子も大きい子もお弁当を取り戻すという目的を達成できて、非常に充実した活動でした。どの子にも取り組みやすい内容だったと思います。目の前におかずが置いてあるのにわざわざペアに頼んで取らせることに理解に苦しむ子が多かったです。全体的に流れが複雑であったため、把握しやすいように手順を簡潔にするべきでした。

<全体の感想>

 今回はどの活動も時間配分に注意しながら実施できました。おかげで、スムーズに進行できました。学生たちが長い時間をかけて準備して、本番を想定したイメージトレーニングを実行しているからだと思います。加えて、今までの反省点を活かしつつ活動作りや実践ができていました。(今回も新たな反省点は生まれましたが) 学生が子供たちの成長を第一に考えることで素晴らしい活動が生まれると実感しました。子供たちも4つの活動をすべてこなして達成感を感じたと思います。特に、お弁当を作って鬼から取り返すという流れで友達と協力して物事に取り組む力が身についたと思います。非常に充実したピアトレでした。