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KDDSのブログ

 慶應発達障害支援会 (KDDS:Keio Developmental Disorder Support) は、発達障害児の支援をする学生団体です。
KDDSは、応用行動分析学に基づいた療育方法を用いて発達障害児の支援を行っております。

KDDS3年の鈴木です。2月8日に実施したピアトレについて活動報告をさせていただきます。

ピアトレ・・・ピアトレーニング:同年代の仲間(peer)同士のコミュニケーションを通じて社会性やコミュニケーション能力の向上を目的とした集団活動です。


『ターゲット行動(当日のピアトレの目標)』

全体:適切な行動をとる

*適切な行動・・・①指示・ルールに従う②状況を察する

今回は小さい子と大きい子一人ずつの参加でした。3日が節分だったということで、豆まきを取り入れ、季節感のある活動にしました。


『全体のプログラム』

① 歌とダンス

② どうする? ○○くん

③ 豆ボールをつくろう

④ 鬼退治をしよう


『活動ごとの詳細』

① 【歌とダンス】

○この活動のターゲット

全体:ルールを守る


<活動の流れ>

① 円になり、折り紙で作ったカエルを真ん中に置き、それを囲むように子どもを立たせる。

② 「カエルのがっしょう」を歌いながら、椅子取りゲームの代わりに、カエル取ゲームをする。「かえるの~くるよ」で回りながら手を叩く。「くわっ、くわっ~」で手をぐるぐるする(難しい子は大きく手を叩いたりする)

③ MTの「取って」の声で回るのをやめ、かえるをとる

④ 取れなかった人(大人)がぬけて、②、③を繰り返す


<感想>

カエルの池をブルーシートで表現するという工夫がうまくいき、子どもたちが喜んでくれました。また、歌うスピードを速くしたり遅くしたり、リズムを変えたりすることで、より楽しく取り組んでもらえたと思います。ルールを守るというターゲットも達成できました。


② 【どうする? ○○くん】

○この活動のターゲット

全体:状況を察する


<活動の流れ>

①登場人物が不適切な行動をする劇を見てもらう。

②劇に対してそれぞれ登場人物がするべき行動を子供たちに考えて、答えてもらう。(挙手制で)

③改善版の劇を見てもらう。

④改善版の劇を、みんなの前で発表してもらう(挙手制)。

⑤①~④の流れを、三つの劇で繰り返す


<感想>

今回の劇も、学校での休み時間や給食の時間を想定しての内容でした。未就学の小さい子には多少難しい部分があるのではないかと予想していましたが、本日参加して下さった小さいお子さんは、しっかりと状況を把握し、挙手して正しい答えを発表してくれました。

保護者の方にも、就学準備に役立ったとのご感想を頂いたのでよかったです


③【豆ボールを作ろう】

○この活動のターゲット

小さい子:依頼する

大きい子:聞き手が理解できるように質問に答える


<活動の流れ>

小さい子(豆ボールの作り方が書いてある紙を持っていない)

①大きい子とペアになって活動する。

②豆ボールの作り方を大きい子に尋ねる。

③言われたとおりに工作する


大きい子(豆ボールの作り方が書いてある紙を持っている)

①小さい子とペアになって活動する。

②小さい子に質問されたら、一項目ずつ工作工程を伝える。

③作り方通りに工作する


<感想>

子ども同士の関わりをつくろう、ということで、大きい子だけが豆ボールの作り方が書いてある紙を持っていて、小さい子が持っていないという設定にしました。しかし、子ども同士の視線が合いづらかったり、大きい子が一方的に作り方を読み上げてしまったりと、なかなかうまく関われていなかったように見られました。この点について、ピアトレ終了後の反省会で、二人の子どもを大人が大勢で取り囲んでしまったことが一因なのではないかという意見が出ました。大人が子どもたちの視界に入らないよう配慮することで、子どもたち二人の空間が保たれ、よりよいコミュニケーションが取れたのではないかと考えました。カプセルに豆と塗り絵を入れてボールを作るという工作自体は楽しんで取り組んでくれたと思っています。


④【鬼退治をしよう】

○この活動のターゲット

全体:指示・ルールに従う

小さい子:順番を守る

大きい子:リーダーシップを発揮する


<活動の流れ>

主となる活動:子ども二人、大人一人で、③の活動で使った豆ボールを鬼の的に向かって投げる。

①くじ引きをし、投げる順番を決める。

②大人がリーダーを指名する。リーダーとなった子どもは、①で決まった投げる順番を発表し、その順番に名札を並び替える

③順番に並び、決められた立ち位置からボールを投げる


<感想>

鬼退治をする、というストーリー構成が甘かったためか、いまいち盛り上がりに欠けた活動となってしまったように感じました。また、投げるという単調な動きの繰り返しだったためか、大人から子どもへの強化が他活動に比べ足りなかったように思います。構成の面での工夫の必要性を感じた活動にでした。しかし前の活動で自分で作ったボールを使用しての活動でしたので、自分で作ったものを使って遊ぶ、という満足は感じられていたように思います。


《全体の感想》

今回のピアトレでの大人(学生)のターゲットとして、①プロンプトを徐々に減らしていく②試み行動も強化する③楽しく笑顔で活動する、の三つを掲げていましたが、どれも達成できたと思います。今回のピアトレの中で、子どもが積極性を見せるようになったり、自分のやりたいことを我慢しルールに従ったりと、成長を見ることができたので、今後も一回のピアトレの中で子ども自身が成長できるようなプロンプトの出し方、課題設定の仕方を工夫することが重要だと改めて気づいた活動になりました。