KDDSのブログ -7ページ目

KDDSのブログ

 慶應発達障害支援会 (KDDS:Keio Developmental Disorder Support) は、発達障害児の支援をする学生団体です。
KDDSは、応用行動分析学に基づいた療育方法を用いて発達障害児の支援を行っております。

KDDS3年の笹川です。4月5日に実施したピアトレについて活動報告をさせていただきます。


ピアトレ・・・ピアトレーニング:同年代の仲間(peer)同士のコミュニケーションを通じて社会性やコミュニケーション能力の向上を目的とした集団活動です。



『ターゲット行動(当日のピアトレの目標)』

全体:誘う

今回は活動数を3つに減らしての開催でしたが、小さい子2人が参加し、楽しく活動することが出来ました。

『全体のプログラム』
① 歌とダンス
② どうする? ○○さん
③ ぼくだけのずかんをつくろう

『活動ごとの詳細』
① 【歌とダンス】
○この活動のターゲット
全体:ルールを守る

<活動の流れ>
① 円になり、食べ物が描いてあるカードを真ん中に並べ、それを囲むように子どもを立たせる。
② 童話「チューリップ」を歌い手拍子をしながら、椅子取りゲームの代わりに、カード取りゲームをする。
③ MT(メインセラピスト)の「取って」の声で回るのをやめ、カードをとる
④ 取れなかった人(大人)がぬけて、②、③を繰り返す

<感想>
レジャーシートの上にカードを並べたことで、歌っている間はカードを取らずにいることが出来ました。また、MTが「取って」と言った後にカードを取るというルールも守ることが出来ました。途中でテンポを変えたり、取ったカードに描いてある食べ物について子どもに質問するなど、楽しい体ほぐしとなりました。

② 【どうする? ○○さん】
○この活動のターゲット
全体:誘う

<活動の流れ>
①登場人物が不適切な行動をする劇を見てもらう。
②劇に対してそれぞれ登場人物がするべき行動を子供たちに考えて、答えてもらう(挙手制)。
③改善版の劇を見てもらう。
④大人と一緒に改善版の劇の練習を行う
⑤改善版の劇を、みんなの前で発表してもらう(挙手制)。
⑥①~⑤の流れを、三つの劇で繰り返す

<各劇の流れ>
①友達とペアになるように指示を出され、1人でいる友達を見つけるが、声をかけられずペアを作れなお
→「一緒にやろう」と声をかける
②年上のお姉さんとペアになるように指示を出されるが、「○○(呼び捨て)、遊べよ~」と声をかけたので、お姉さんは嫌な顔をして遊んでくれなかった
→「○○さん、遊んでください」と声をかける
③一緒に話していた友達が他の友達からドッジボールに誘われて置いて行かれてしまい、入れてもらいたいが声をかけられない
→「私も入れて」と声をかける

<感想>
今回の劇は、新学期の学校や幼稚園を想定したものでした。劇の練習の時間、実際におもちゃで遊んでいる大人に声をかける等、実物を使ったことで元気よく「一緒に遊ぼう」と声をかけることが出来ました。しかし、「年上の人には敬語や丁寧な言葉を使う」ということは子どもには難しいようでした。

③【ぼくだけのずかんをつくろう】
○この活動のターゲット
全体:誘う

<活動の流れ>
①ずかんに書かれている5つのミッションを達成する。
ミッション1 同じ模様のカードを持っている人を探し、誘って一緒に桜の花を取りに行く。貰ったら図鑑に貼る。
ミッション2 同じ模様のカードを持っている人を探し、誘って一緒にお弁当を取りに行く。貰ったら図鑑に貼る。
ミッション3 子ども同士で役割分担をし、一方は新幹線を、もう一方はシールを取りに行く。お互いに貰ってきたものを渡し合って図鑑に貼る。
ミッション4 自分の好きな食べ物と、もう1人の子どもの好きな食べ物を聞いて描く
ミッション5 自分の好きな動物と、もう1人の子どもの好きな動物を聞いて描く
②図鑑が完成したら、「はっぴょうのきまり」に従って中身を発表する。

<感想>
今回は「工作」と「運動」の要素を両方取り入れた活動にしました。図鑑という形に残るものを工作したことで終わった後の達成感がより大きかったのではないかと思います。また、図鑑にシールを貼る欄を作りミッションを達成するごとにシールを貼ったため、見通しが立ち集中力アップに繋がりました。一方で、「相手の好きな食べ物・動物を聞く」ということについては、具体的にどのような言葉をかけたら良いかわかりづらいようでした。また、発表の際も、「立って図鑑を持って話す、図鑑をめくる」など同時に複数のことをこなすのは難しい様子でした。

《全体の感想》
「誘う」というターゲット行動をたくさん取り入れ、子どもも「一緒にやろう、遊ぼう」と発することが出来ました。今後は、相手の顔や目を見て言うということも練習していけたらと思います。また、学生側の課題として、強化を多く盛大にしようということが最近のピアトレを通して挙がっていましたが、今回は強化をより多く行えました。活動内容だけでなく、大人の強化や雰囲気を含めて子どもがピアトレを楽しみながらターゲットを達成できるよう、今後も強化を意識していきます。
一方で、子どもから目を離すことが多く、子どもの離席が目立ちました。離席を事前に防ぐためにも子どもから目を離さず、集中してピアトレに取り組めるようにすることが課題となりました。