これは、お母さんにとってもショックでした。
算数は計算が速く正確に出来ればいいと思っていたのが、
考え方がわからなければ何にもならない、
計算を速くするという習性が
かえって問題をじっくり考えるという
取組み姿勢阻害してしまうかもしれない
と不安になりました。
お母さんは悩みました・・。
そして、専門の塾に入れてみようかと思い立ち、
いろんな塾をはしごしてはパンフレットを集めました。
体験学習にも行ってみました。
お母さんはこう考えました
「考え方を身につけるには、受身的な学習ではできない、
自分で学び取る学習でなければならない。
アキは計算は速いけど、ここはじっくり時間をかけて学ばせたい。
成績を上げることも大事だけれど、
自分で物事を判断し解決していける考える能力を養っていきたい。」

・・・・・

(つづく)


しばらくして、
お母さんとアキちゃんは、やっと一つの塾にたどり着きました。
通い出して1ヶ月、
アキちゃんは、あの "なぜ" が自分の中で氷解していくのを実感し、
さわやかな顔でこう言いました。
「お母さん!わたし、お母さんの子に生まれて本当によかった!」
母親の子を思う熱い心がアキちゃんにもしっかり伝わったのです。
お母さんも11年前の時のように
「アキ、私を選んでくれてありがとう」
と再びつぶやくのでした・・。

(おしまい)

 ≪アキちゃんがさっちゃんに教えてと言われた問題は次のような問題です≫

『学校園にひまわりを植えました。植えた面積は18平方メートルで、これは、学校園の面積の15%にあたります。学校園の面積は何平方メートルですか。』


アキちゃんの家庭学習法

算数の文章題がスッキリ理解できたその勉強法とは・・


次郎くんは中学2年生。
少しおっちょこちょいだが、学校が楽しくってしょうがない。
部活は楽しいし、給食もうまい、気の合う友達もたくさんいるし、
授業だってちょっと眠いがほどほどについていけてると思っている。
テストも一夜漬けで何とかごまかし、こんなのチョロイと、家ではゲーム三昧だ。
・・・・・
ところが、そんな次郎くんの心に、最近、不安な陰りのようなものが生じ、
それが徐々に大きくなってきたのだ。
ことの発端は先月の実力テスト、
予想外の結果に多少のショックは感じたものの、
オレだって勉強しさえすればすぐに挽回できるさと高をくくっていた。
何せ、オレは天才だからな、ハハハ。
ところが、いつでもやれると思っていたその勉強が、
やらなければと思えば思うほどますます手につかない。
すぐゲームや漫画に逃避してしまい、
だんだん自分の意志の弱さに自己嫌悪さえ覚えるようになった。
あの天真爛漫な次郎くんが、
今や見る影もないほど鬱々としている。

・・・・・

(つづく)

一方、
お母さんも、近頃の次郎くんの様子の変化に気づき、心配になっていた。
生まれた時には、
元気に丈夫に育ってくれるだけで私は十分幸せよとささやきかけたものだが、
母親をとうに追い越す背丈になっても、
心配は尽きない。
このままで高校に入れるのかしら。
2年生になっても一向に勉強している気配がないし・・。
そして、反抗期で逆効果だとわかっていながらも、ついつい、
「次郎・・お勉強大丈夫?・・」
と言ってしまうのだった。
そんなある日、
お母さんの毎度の問いかけに、
いつもは曖昧な空返事をするだけだったが、
その日はちがっていた。
「次郎・・おべんきょ・・」
と言いかけると、
「わかってるよ!・・勉強しなくっちゃいけないってことは・・
でも・・お母さん・・それが・・できないんだ・・」
次郎くんの思わぬ言葉に、
苦しげな吐き出すような表情に、
お母さんはびっくりし、
ただただ狼狽するばかりだった。

・・・・・

(つづく)