それから、しばらく経ったある日のこと、
一枚のチラシが、たまたまお母さんの目に留まり、
しばらくそれに釘付けになってしまった。

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『だれにも簡単にできる勉強法、こんなふうにやってみませんか?』
― 勉強って「やる気」と「やり方」この2つを解決するだけでいいのです―

■まず「やる気」。
普通の人は自分で計画を立てて自分で実行できるほど意志が強くありません。第三者の協力が必要です。でしたら、家族みんなで協力しましょう。家族共通の勉強タイムを設けるのです。その時間は、大人は新聞を読むなり好きな本を読むなり、とにかく一切テレビやゲームなどを止めて勉強や読書をすることに決めます。みんなで約束するので意外と守れるものです。おまけに充実したステキな時間が持てることになります。
■次に「やり方」。
一言で言うと、むやみに問題を解かない。言い方を変えると、問題を解きだす前にまず前準備をしっかり行う必要があるということです。例えば、数学であれば例題の解き方を真似てみるとか、英語なら単語や本文の発音と意味を確認するとか、他の教科も必要知識を頭の中に入れる作業を第一にしなければなりません。頭の中にあるものしか答えられない訳ですから、当然のことですが。具体的には次のようにします。
○数学 : 教科書の例題の問題と解説を理由を考えながらノートに一字
     一句漏らさず書き写す
○英語 : 教科書の単語の発音・意味を確認する → 本文を音読する →
     本文を前から直訳する → 本文をノートに書き写す
○国語・理科・社会 : 教科書のその単元を音読する
特に音読は、初めは少し面倒に思えても、実行してみると、達成感もあり爽快感もあり脳の活性化にもつながり、お勧めです。読む自分がもう一人の聞く自分に語りかけるとイメージするといいかもしれませんね。
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(つづく)



何だこんなことだったの?
案外簡単じゃない。
「①家族共通の勉強タイムをつくること」

「②問題を解く前に前準備を行うこと」
この2つだけなのね。
お母さんは早速、次郎くんに持ちかけたところ、
次郎くんも渋々ながらも承諾したのだった。
・・・・・
さて、数ヵ月後、
「わたし、ちょっと、頭よくなってきたみたい!?」
と言ったのは、お母さんだった。


(おしまい)



次郎くんの家庭学習法

自力で勉強の遅れを取り戻したその方法とは・・


-- とある塾での、中2の悠君と塾長との会話の一場面です --


悠君:先生、どうして勉強なんか、しなきゃいけないんですか?


塾長:んー、むずかしい質問だね・・、
   いくつかの答があると思うけど・・、
   先生の答はね、それは・・人間だから・・かな。
   人間って皆、それぞれ一生を通じて何かを学ぶために生きている、
   学び続けることによって成長し、そうして本当の自分を見出していく、
   というふうに先生は思っているんです。


悠君:へえー、大人になっても勉強しなければならないんですか?


塾長:そうだね、むしろ、大人になってからの勉強が、本当の勉強だと思う。
   仕事の勉強・・社会の勉強・・人生の勉強・・と。
   子供の頃の勉強は、そのための基礎作り、準備でもあるんです。


悠君:ふーん。でも、勉強の目的が、成長して本当の自分を見つけるため
   だなんて、僕には何のことだかわからないや。


塾長:ちょっと、難しすぎたかな。
   それは、大人になってから、
   いろんな経験を通して徐々に気づいていくことであって、
   今の中学生の悠君にとっては、
   テストの点数をもう少しアップさせて、行きたい高校に進むため、
   であっても、それはそれで、立派な目的なんですよ。


悠君:そうだとしても、勉強って、楽しくないし・・。


塾長:確かに勉強は、大人にとってもつらくなることはあります。
   でもね、今まで分からなかったことが分かるようになる、
   知らなかったことが知ることができるようになる、
   っていうことは、本当は楽しいことのはずですよね。


悠君:それは、そうだと思うけど・・、
   授業ではわかったつもりでも、
   いざ自分でやろうとすると、できないこともたくさんあるし・・。


塾長:悠君は、
   勉強って”教えてもらうもの”と思っているでしょう。


悠君:えっ、違うんですか?


塾長:教えてもらうだけでは、本当の力は身につかない・・。


悠君:じゃ、どうすればいいんですか?


塾長:自分から学び取って、自分の脳を鍛えることが必要なんです。
   スポーツだってそうでしょう。
   人のプレーを見ているだけでは、
   いつまでたってもできるようにはならない。
   自分で練習して鍛えてこそ、筋力、体力、技術力などが身についてい
   く。
   勉強も、自分で考え、くりかえし練習することが必要なんです。


悠君:あぁ、なるほど。
   それが・・”自立学習 ”・・というもの・・なんですか。


塾長:そうです。
   自分でやれるところは、どんどん自分でやる。
   そして、わからないところは質問して聞く。
   わからないところだけ教えてもらうと、
   教えられる側に準備ができているから、
   理解も早くなるし、深くもなる・・。
   そうすると、わかった時の達成感が、心から実感できるようになるん
   です。


悠君:そういうことか・・
   わかりました・・
   やってみます!

悠君の意気込みは、いつにない凛とした背中が、物語っていました。



(おしまい)



自立学習ができる家庭学習法


教えてもらうだけでは本当の力は身につかない・・