授業も休み時間も全部寝た。
眠れなかったら寝たふりをしていた。
辛うじて授業のはじめとおわりの挨拶だけは起きて立ち上がった。
お弁当だって食べなかった。
完全に自分から異質なものになりに行った。
誰も関わってくれるな、と思っていた。
それでも学校へ行っていたのは、水曜日の放課後だけある部活と、毎日学校が終わってから逃げるように通っていた塾の自習室へ行く為だった。
塾だって私は塾長や先生にあまり気に入られていなかったし気にとめられることもなかった。
だけど雑念を飛ばせる自習室はとても居心地がよかった。
すきなものを勉強して、すきなときに夕ご飯を食べて、気が向かなければ少しだけ外へ出て。
自分が自分の意思でそれなりに自由に振る舞えるのは、塾の自習室だけだったのかもしれない。