生徒さんに伝えたかったもう一つのことは、式の進行に決まりはないということです。
プロテスタントでは、式の進行は牧師の指示によって、進んでいきます。
なぜなら、「礼拝」だからです。
誓約→指輪交換→お祈り→ベールアップ&キス
誓約→お祈り→指輪交換→結婚宣言→ベールアップ&キス
誓約→指輪交換→ベールアップ&キス→署名→お祈り
上記は、すべて正しいです。
キリスト教式の結婚式では、ひとつひとつに意味があり、そこにストーリーがあれば
問題ありません。
そもそもプロテスタントの結婚式では、絶対にこうしないといけないという進行の決まりはありません。
通常は、式場に備えてある「式次第(プログラム)」をゲストの皆様にお渡しし、それに記載されてある
順番にしたがって式は進んでいます。
以前は、式次第の下のところなどに「式進行は変更することがございます。牧師の指示に従ってください」
などの注意書きが書いてありましたが、いつの間にやら、なくなってしまったところがほとんどです。
牧師がいつもの進行と違ったことをすると、残念なことに、式場のスタッフが「それはミスですね」と
言うことがあります。ミスではありません。例えば、誓約を抜かしたまま、式が終わってしまったら
それはミスです。けれども、順番が入れ替わったとしても、式がスムーズに、自然に進み、
何事もなく終わったら、それで何の問題もありません。順番の違う式場など、いくつもあります。
例えば、お芝居でも、俳優が台本にないアドリブのせりふを言ったり、違う動きをすることがあります。
これって、ミスでしょうか?お芝居も結婚式も、生で行われていて、その瞬間瞬間のひらめきなどに
よって、違う動きをすることがあり、誰が見ても失敗と思われない範囲で、それらは許される
のではないでしょうか?むしろ、良くなることもあるぐらいです。
牧師の場合は、式をしているときに聖霊がくだって、いつもとは違う動きや言葉を発したりすること
があるんです。
このようなことを決して、「ミス」だとは思わないでくださいということを強調して、生徒さんには伝えました。
式場スタッフは、牧師や聖歌隊に「ミスですね」というのではなく、逆に新郎新婦に対してわたしたちを
フォローする側に回るのが当たり前ではないでしょうか?
私たちがもしミスをしたとしたら、それは新郎新婦さんと直接契約をしている式場側のミスになるというのが
ふつうの考え方だと思います。
私たちと式場側はお互いに協力しあって、新郎新婦さんに満足していただけるような良い式をしていく
というのが仕事です。
結婚式に携わるすべての人々の協同作業によって、良い結婚式が出来るんです。
この当たり前のことを、プランナーさんにも重々、理解しておいてほしいと声を大にして言いたいです。