昨日は平日の式を行ってきましたが、私自身が感動したとても素晴らしい式だったので、ご紹介したいと思います。
参列者は、新郎ご両親と弟さん、新婦ご両親、合計5名の少人数の結婚式でした。
聖歌隊がいない式だったので、私とオルガン奏者、そして式場の方、新郎新婦さんと
100名収容の広いチャペルの中には、たった10名です。
式のリハーサルは聖歌隊がいないので、私ひとりで全部を説明します。
新婦さんと新婦お父さんの入場のところで、ウェディングステップの説明をしたところ、
新婦お父さん「そんな歩き方せなあかんのん?」
私「新婦さんがお生まれになってから、今まで少しずつ成長されてきた、その1年1年を思い出しながら、
1歩1歩ゆっくりと歩いていただいたらいいんですよ」
新婦お父さん「わかった」
で、リハーサルではかなりゆっくりと歩かれたんですが、本番ではさらにゆっくり歩かれて、通常の3倍ぐらいの時間がかかりました。本当に、1歩1歩をゆっくりと、今までのことを思い出しながら歩かれているんだなということがちゃんと伝わってきました。
新婦さんも入場してすぐに号泣状態で、退場まで泣き顔でした。゚(T^T)゚。
新郎さんが新婦さんを迎えにいき、お父さんと会釈をし、お父さんはお席へ進むはずでした。
ところが、お父さんは新郎さんの手をとり、固く固く握手をされ、「よろしく!」と言われたのです。
※握手をするパターンもありますが、この日はリハーサルで説明していませんでした。
新郎新婦さんが腕組みをし、講壇に向かって歩いてこれるのですが、新郎さんの顔がもうくちゃくちゃで(失礼!)、新郎新婦お二人が泣きながら、私の方へ向かって歩いてくるその姿を見て、自然に私も涙がこぼれてしまいました。牧師が泣いたらだめなんですが、本当に自然に出てしまったので仕方ありません。今まで数多くの司式をしてきた中で、初めての経験です。
もちろん、新婦お母さんは最初から泣かれていましたし、新郎お父さんも目が真っ赤っかでした。
もらい泣きする条件は揃っていました。
新郎新婦が前に着かれてからも、目の前で泣き顔のお二人が自然に目に入るわけで、右見ても、左見ても、みんな泣いておられるので、本当に涙をこらえるのが難しかったです。
讃美歌312番では、ひときわ大きな声で新婦のお父さんが歌われるんですが、それがまた感動を誘うんです。大きな声で2番の歌詞を間違われたのはご愛敬です。
実は本番直前に、スタッフから「新婦のお父さんが式の中で、ハーモニカを吹きたいとおっしゃってるんですが、出来ますか?場面はおまかせしますので...」と言われてたんです。
急なことだったので、どの場面で吹いていただくか、タイミングをはかりながら、式を進めていました。
「結婚宣言」で新郎新婦が参列者の方を向いたとき、新婦お父さんがポケットからハーモニカを出されるのが見えました。で、ヴェールアップ、キスをしたあと、本当は牧師の方を向くはずだったのですが、お客様の方を向いて、腕を組んでもらいました。
私「ここで、新婦のお父様が、お二人に心からの祝福の気持ちを込めて、ハーモニカの演奏をされます。
お父様、どうぞ!」
すると、お父さんはお二人の横まで来られて、お祝いの言葉をかけられてから、ハーモニカを吹かれました。新郎新婦さんにとっては、まったくのサプライズで、新婦さんがやはり一番びっくりされたようです。
演奏は、それはそれは、素晴らしかったのです。心のこもった演奏というのはこういうのを言うのだという見本のような演奏でした。
新婦のお父さんが、式中に、ハーモニカの演奏をするというのは、まったくの初めてのケースでした。
でも、こういうのって、全然ありだと思えるほど、感動の場面でした。
式が終わってから、新郎新婦さんにごあいさつにいったのですが、
新婦「入場のとき、お父さんがぼそっと「良かったな」と言ったんです。あの一言でもうだめでした」
全体を通じて、いつもの倍ぐらいの時間がかかった挙式でしたが、本当に参列者の方も、そして私もオルガン奏者も、みんなが感動する素晴らしい挙式でした。
特に、新婦お父さんの娘に対する思い、十分、伝わりすぎるぐらい伝わってきましたし、式後のお二人の幸せそうな笑顔がとても印象的でした。
こんな素晴らしい挙式の司式を担当させていただいて、私も幸せでした。
本当に、いつまでもお幸せに! この一言に尽きますね!(^^)!