五箇山の菅沼地区に車を止めた真ん前に、合掌作りの立派なお土産屋さんがありました。




ドクターのすべらない話



よく見ると、さるぼぼみたいな人形が売っているではありませんか。


さるぼぼを知らない方はこちらをどうぞ


「あれっ、これはさるぼぼに似てるな。なんだこれ?」

と私が大きい声で独り言を言うと、奥から店員が

「これはさるぼぼではなくて、カエルカエルがベースとなっていますので、けるぼぼと言います」

と説明してくれました。

まさか店員が僕の話を聞いているとはびっくりした。

誰もいないと思ってたから。でも、けるぼぼって結構面白い人形だな。


何色かバリエーションがあり、


「緑色は、無事カエル」

「黄色は、お金に困っている人が必要になります。お金がカエル。」

と店員が言うので、私は、

「お金には困ってないから、黄色は必要ないな」

「めしはちゃんと食べれてるからな」

と言うと、店員がちょっとぶすっとしてしまいました。


「ピンクは家庭が…」

と店員が恥ずかしそうに小さい声で言うので、よくわからんかったです。

ひょっとしてエロいのかな?

母や親戚がいるので、ここは突っ込まずに黙ってました。


「あれっ、金色もあるじゃん。すげえ」

と私が言うと、店員は、

「金色は一発逆転です。人生がひっくりカエル。」




ドクターのすべらない話



「おっ、まさにこれが今の僕にふさわしいものだ」

と私が言うと、店員が、冷めた声で

「成功するとは限りません。失敗したらどうするんですか?」

と言ってくるので、私は、

「そんな時は這い上がればいいんですよ」

「でも僕は凡人だから、言うだけで、まだ実行してないけどね」

と言うと、店員は、

「いやいやそれだけ分かっているだけでも、すでに凡人ではないのでは?」

と言ってくれました。


ちょっと気分が良くなったので、なんか買っていくか。

一丁前のことを言っておきながら、結局私は金色ではなくて、緑色を買うことにしました。

帰宅する直前だったので、親を安心させるためと、最低限、健康で無事でなければ何もできないという思いから緑色を選んだのです。


金色を買うには自分にはまだ早すぎる。

これからの人生で何をするかまだ決まってないからだ。

もう私の人生は折り返しに入ってるのにね…。

人生の大きな目標が決まったら、今度は金色を買おうと思いました。