最後のウィーンの夜。

 ウィーンのシュターツオーパー(国立歌劇場)にてオペラ観賞。

・2017.10.18 ウィーン(国立歌劇場)
ウィーン国立歌劇場公演 19:00
ドビュッシー:ペレアスとメリザンド
(指揮)ダニエル・ハーディング
アルケル:Peter Rose
ジュヌヴィエーヴ:Janina Baechle
ペレアス:Bernard Richter
ゴロー:Simon Keenlyside
メリザンド - Christiane Karg


 この旅行ではドビュッシーの「ペレアスとメリザンド」は二度目。一度目はパリにてジョルダン指揮のパリ・バスティーユ・オペラ公演で観賞。そのパリのドビュッシーも良かった。そして、昨晩のハーディング指揮の同演目もブラヴォー。いいねぇ。素晴らしい。

 この2つの公演の比較や感想は沢山書きたいことあり。どちらも凄いレベル。さすが本場だなぁと。でも、今書くと感動が逃げていくよう、だから、例のごとく一度封印。圧縮保存する。

 長時間の出し物になったのだが、時間はあっという間に過ぎていた。


【ウィーン最後の夜~明日は早い時間の便にてロンドンへ】

 明日の朝、というか、もう今日になる。朝早くロンドンへ飛ぶ。ロンドンでゆっくりしたく。そして、夜はハイティンク/LSO(エーベルレ)の演奏会を再び。
 そして、最後の訪問地ルツェルンに行くのは翌日。そこでグリモー・リサイタルを聴いて私の「旅」は終わり。今回の旅は終わり。

 ネットで日本のニュースチェックしたら、台風が接近していて、二十三日頃まで影響あるような報道がある。
 日本時間の二十三日に成田に着く便で帰国予定なのだが・・・・大丈夫だろうか?
 と、今から心配しても仕方ない。今は今、この時間を愉しめばいいか・・・。あと二回の「コンサート」を愉しめばいいか。それからだろう・・・台風の影響考えるのは。


【秋のウィーンの最後の夜に・・・ホテルの片隅で聴くブラームス】

 心の中の「感動・余韻保存file」がもう一杯になっている。溢れそうになっている。圧縮していたはずなのに、いつのまにか膨張しているかも・・・。勝手に増幅しているかも。

 fileから溢れ出た「感動・余韻」の要素・粒子はそれを纏めてボストンバッグに詰め込もう。

 ウィーンの秋、この気配、この空気を味わえて幸せである。いいねぇ、ウィーンも。

 ホテルからほど近い一角の公園を歩いていたらホルンのメロディが聴こえてきた。そのメロディは私の大好きな曲のテーマである。
 誰が吹いているのだろう?と思ったら、公演の一角で初老の男性が吹いていた。プロだろうか? かなり上手い、いい音だった。

 それはブラームスのホルン三重奏曲のテーマだった。
 ウィーンで聴くホルントリオもまたいいねぇ。これはこれは感じ。まして、この時期だもの・・・秋だもの。

 今、日付は替わってなんとかクールダウンしたところ。あの今日のオペラ観劇の余韻を封じ込めた所。
 そして、公園で聴いたホルンの音色が忘れられずネットにて、ホルン三重奏曲の音源探した。

 またまたあった。ありがたい事に[radio-4」で、なんとなんとイザベル・ファウストのヴァイオリンを中心としたトリオの音源があった。
 この音源流しながら、ちょっとウィスキーの水割りを・・・。最高の贅沢である。今日のこの瞬間、贅沢である。


①I・ファウスト(Vn)/A・メルニコフ(P)/スヴァールト(Hrn)演奏会(2015)

・シューマン:「3つのロマンス」作品94
・ブラームス:ホルン三重奏曲変ホ長調作品40
・ヨルグ・ヴィットマン:アリア
・リゲティ:ヴァイオリン、ホルンとピアノのための三重奏曲 「ブラームスへのオマージュ」

(ホルン)トゥーニス・ファン・デァ・ズヴァ―ルト
(ヴァイオリン)イザベル・ファウスト
(ピアノ)アレクサンドル・メルニコフ

2015.1.26 フィルハーモニーホール(ベルリン)にてのライブ音源

https://www.nporadio4.nl/concerten/4967-hoorntrio-s-met-hoornist-teunis-van-der-zwart-violiste-isabelle-faust-en-pianist-alexander-melnikov#details4103
(URLクリックにてサイトが開く。「SPEEL BOLLEDIGE SPEELLJST AF」のボタンをクリックすると全曲が順番で流れる。個々の曲の再生ボタンクリックでは一曲ごとに再生になる) 


 以上、ブラームス以外の曲も「秋」に相応しい。一気に聴いてしまう。シューマンとブラームスがとりわけ心に染み入る。

 同じメンバーで別の日の音源もあった。

②I・ファウスト(Vn)/A・メルニコフ(P)/スヴァールト(Hrn)演奏会(2012)

・フォーレ:ヴァイオリン・ソナタ第一番イ長調 作品13
・ブラームス:ホルン三重奏曲変ホ長調作品40

(ホルン)トゥーニス・ファン・デァ・ズヴァ―ルト
(ヴァイオリン)イザベル・ファウスト
(ピアノ)アレクサンドル・メルニコフ

2012.10.24 バート・ライヘンハルでのライブ演奏会音源

https://www.nporadio4.nl/concerten/2900-violiste-isabelle-faust-hoornist-teunis-van-der-zwart-en-pianist-alexander-melnikov#details2813
(URLクリックにてサイトが開く。「SPEEL BOLLEDIGE SPEELLJST AF」のボタンをクリックすると全曲が順番で流れる。個々の曲の再生ボタンクリックでは一曲ごとに再生になる) 

 これはファイストのヴァイオリン・ソロでのフォーレのソナタ。そして二曲目がブラームスのホルン三重奏。
 このメンバー、素晴らしい。CDも出ていて、そのCD録音もいいが、①②のライブもまた別格。

 今度の長旅、これまでのコンサートもどれもが素晴らしいものだった。そして、そして、どの街も素敵だったなぁ。

 そんな想いを振り返りながら、このウィーンの最後の夜、ホテルの片隅の部屋だが、①や②のような演奏・・・・秋・・・私のこころにまた染み入る。
 特にブラームスの「ホルントリオ」・・・・。この情感・・・・かなりハマる。年々ハマる。素晴らしい曲だなぁ。

 ウィーンの秋に聴く室内楽の音源もまたオツ。私には贅沢な一瞬でもあり。


【番外編】ファースト/ギアン・ケラス他のベートーヴェン「トリプル・コンチェルト」

 昨日の日記にて、ファウスト/ケラス/ヘルムヒェン(ブロムシュテット指揮ゲヴァントハウス管)のベートーヴェン「三重協奏曲」のライブ画像を紹介した。そこで、ブロムの指揮への違和感を書いた。

 ファウスト/ケラスのコンビにピアニストがクリスティアン・ベズイデンホウト加わり、F・ブリュッヘンが指揮した同曲の音源があった。
 これを聴きたくなった。前日紹介済みのブロムシュテット指揮のものと比較したくなった。

③フランス・ブリュッヘン指揮コンサート

・ベートーヴェン:「12のドイツ舞曲」
・ベートーヴェン:三重協奏曲

(ヴァイオリン)イザベル・ファウスト
(チェロ)ジャン=ギアン・ケラス
(ピアノ)クリスティアン・ベズイデンホウト
(管弦楽)18世紀オーケストラ
(指揮)フランス・ブリュッヘン

2010.11.6 ミュージック・ホール(アムステルダム)でのライブ音源

https://www.nporadio4.nl/concerten/48-omroeparchief-kristian-bezuidenhout-isabelle-faust-en-jean-guihen-queyras-cello-en-orkest-van-de-achttiende-eeuw-o-l-v-frans-brueggen#details7250
(URLクリックにてサイトが開く。「SPEEL BOLLEDIGE SPEELLJST AF」のボタンをクリックすると全曲が順番で流れる。個々の曲の再生ボタンクリックでは一曲ごとに再生になる) 

 こちらは古楽器団体の古楽器奏法。
 単純に比較は出来ないけども。でも、でも、この③のほうが流れが自然だよなぁ。昨日紹介したブロムシュテット映像よりもこちら聴いて一安心した私。

 気がつけば、時刻は19日の午前三時半をまわろうとしている。
 少し休もうか・・・・。でもでも、ちょっと感動で気持ちが昂ぶり・・・眠れないかも知れない。無理して眠る事もないだろうが。