二月二十日(土曜日)

 今にも泣きだしそうな空。どんより灰色。午後からは雨との予報。
 今週の土日は出勤。9時=6時のいわゆる「クンロク」。つまり普通の出勤時間。丸一日仕事。とはいっても、会社自体は休日である。会社・オフィスには私含めて三人。二人は自分の仕事が一段落すれば帰るだろう。私は丸一日。たまりにたまった書類や資料等々に目通したり、作成したり。なにせ二月の当初から二週間休暇だったからその間のデスクワークが溜まっている。
 昼時間になり一息入れる。

【ニュース・チェック】

☆☆島尻北方担当相
「歯舞」言葉に詰まっただけ 政府答弁書☆☆

http://mainichi.jp/articles/20160220/k00/00m/010/014000c

 ひとつ提案がある。あのぅ、国会議員やそして大臣になる時、どうだろう? 大学入試よろしく議員になるための「共通一次試験」を受けさせて、世の中のある程度の常識をテストしてみてはどうだろう? そして、その試験に合格した者だけに「立候補権」を与えてみてはどうだろう? 大臣になる際もしかり。
 って、そうなればなぁ・・・・なんだかこれも虚しいよねぇ。
 もし、今それをやったら、安倍総理しかり、副総理の麻生さんも、もちろん島尻さんも、丸川女史も、それから不倫・金権疑惑の宮崎元議員も、甘利さんも・・・・・資格なしの烙印おされただろうに。


☆☆ワレサ元大統領に共産主義時代のスパイ疑惑☆☆

http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2016/02/post-4557.php

 あのワレサがスパイだったのか・・・・。まぁ、世の中がそういう時代だったし、また、こういう人は多くいたのだろう。
 でも、興味あるなぁ、この疑惑。

 ワレサ・・・・確かに「自由」を勝ち取った運動のトップの指導者だったが、その後、あまりにも美化し過ぎだと感じている私だが。
 ワレサの功績は認めつつも、隠されたワレサの当時の行動・・・・これは興味ある。


【フランス・・・M・ベロフの若かりし時代の演奏に】




 M・ベロフ・・・・フランスのピアニスト。1950年フランス生まれ。今やピアノ界の重鎮。
 私の好きなピアニストの一人。

 私がクラシック聴き始めた時期、彼の録音したドビュッシーの前奏曲集全曲(EMI)が数々のレコード賞を取った。話題になっていた。当時の私はフランス音楽、そして新人のベロフまでに手が伸びなかった。
 東京で学生生活はじめた時、下宿から歩いて十数分のところにあった名曲喫茶「あらえびす」ではよくベロフのこのLPが流れた。カルチャーショックだった。色んな意味で。いいのか悪いのかわからなかった。田舎から出てきた貧乏青年にはそのドビュッシーの雰囲気も、ベロフのピアノもカルチャーショックだった。

 そのベロフの若い時のドビュッシーのLP(EMI盤)を無理して買ったのがサラリーマンになって最初の年。二枚組で4500円位だった。そして、当時の私の安アパートにあったオーディオ装置で再生した。いい演奏だった。だが、高音のフォルテでは音割れした。カートリッジが悪かったのだろう。
 このLPを良い状態で聴いてみたいと思って数年。ようやくカートリッジも性能の良いものを手に入れ再生。全く別物の音がした。嬉しかったなぁ。
 時代はCD時代になり、この録音もCD化された。だが、初期CDは、最良のLPよりは音が悪かった。音が固かった。冷たかった。音の余韻がなかった・・・・。
 その後、CDも何度かリマスタリングされて出ている。でも、ほとんどのリマスタリングはLPのあの香りはない。残念。

 ベロフ・・・・。今回の私の欧州の旅で何処かで聴きたかった一人だったがそれは叶わなかった。前世紀の終わりにパリでリサイタルを聴いたことある。感銘したなぁ。久々のベロフに感銘した。
 若い時の演奏のあの革新的な音のイメージはそのまま残し、そして、そしてそこに「温もり」を感じた。
 今世紀になって何度か日本に来ている。だが、若い時の演奏のほうが良かったような気がしてならないけど。

 懐かしいライブ演奏画像がある。そのいくつかを・・・・・

 まずは私が一番最初にベロフの生に接した時の演奏がライブ画像音源であった。嬉しくなった。またまたN響絡み。

①モーリス・ラヴェル:ピアノ協奏曲
(ピアノ)ミシェル・ベロフ(29歳の時)
(管弦楽)NHK交響楽団
(指揮)ギュンター・ヴィッヒ

1979年ライブ画像



 画像質・音像質はかなり悪いけどそれは致し方無い。我慢。
 だけど面白い。この演奏が懐かしい。そして、ベロフがいい。29歳とテロップが出る。イケメンだった。このピアノの音の質、輪郭、そしてその飛び方がいい。
 とりわけ第二楽章が絶品のピアノ。いい雰囲気。

 指揮が当時の常連のヴィッヒ。徳永コンマス、サイドが川上久雄さん。懐かしいねぇ。この布陣。
 聞いていてちょっと苦笑いした私。だって、だって、正直言ってこの演奏の時のこのオケのリズムが・・・・あのぅ、これ、このリズムはちょっと今だったら恥ずかしいだろうと。
 アン、ドゥ、トロワ
 とは浮かばないリズム。なんだか上の演奏では、ズン、チャ、チャ、ズン、チャ、チャ。
 この野暮ったいオケのリズム。まぁ、こういう時代だったなぁ。
 しかししかし、でもでも、どこか憎めないんだよね、この時代のこのオケ。いい演奏だった。

 ベロフは絶品。

 こんな演奏画像もある。白黒だが。

②ベラ・バルトーク:ピアノ協奏曲第三番
(ピアノ)ミシェル・ベロフ
(管弦楽)フランクフルト放送交響楽団
(指揮)エドワルト・マータ

1983年ライブ映像



 ここでのベロフも絶好調。素晴らしい輪郭とその音の広がりのピアノ。フランスのスタインウェイ弾きだなぁ。素晴らしいバルトークだ。
 目潰って聞いていると、ピアノの音色、そしてオケのデリケートな部分・・・・・そこからいろんな情景が浮かんだ。

 以上2つの動画。今朝方聴いていた見ていた。ブラヴォー。そして、我が青春時代を想い出していた。

 それから押入れからCDを。もちろんベロフのものを。彼は三度に渡りドビュッシーの前奏曲集全曲その他を録音している。その3ついずれもが世評が高い。
 私も優劣つけ難い名演奏3つだと思っている。だが、どれかひとつとなれば断然若い時のもの。一番目の録音のEMI盤。そう、あの「名曲喫茶あらえびす」で聴いていた録音。初めて接した時は少々カルチャーショックだったが、これがこれがやはり私には最高。
 その音源から第一巻の音源がある。

③ドビュッシー:前奏曲集第一巻
(ピアノ)ミシェル・ベロフ

EMI録音



 やはりこれだなぁ。いいねぇ。

 そして1983年のライブ画像からこの小品がまたいい。

④ドビュッシー:「亜麻色の髪の乙女」
(ピアノ)ミシェル・ベロフ

1983年ライブ画像



 今回の旅ではベロフの演奏には出会えなかったが、次回には絶対にベロフの演奏会をも目当てにと心に決めた。
 今のベロフを、そして贅沢だが外国で聴きたく。場所はパリがいい。いや、ニューヨークもいいなぁ。彼の音にマッチしているようで。


【N響の「ラヴェル:P協奏曲」】

 あの70年代あたりのN響では、どうもまたリズムが可怪しかったラヴェルのコンチェルトの伴奏。それがそれが、デュトワが登場したあたりからこのオケが変貌した。デュトワ効果なのか・・・・こういうフランスのリズムものでもN響は軽快さが増してきた。
 ズン・チャ・チャ!! のリズムアクセント一辺倒から脱出した時期があった。
 そして、この曲が何度もN響コンサートに登場するようになった。
 名演奏沢山あったなぁ。もちろんその逆もあったが。

 比較対象の意味で、ネット上にあった以下2つの「ラヴェル:ピアノ・コンチェルト」画像が興味あり。いずれもが偶然にも私も生演奏で聴いた。会場にいた。

⑤ラヴェル:ピアノ協奏曲ト長調
(ピアノ)ピエール=ローラン・エマール
(管弦楽)NHK交響楽団
(指揮)シャルル・デュトワ
ライブ画像



 これまた最高の組み合わせだった。エマールも大好きだった。彼のラヴェルは大好きである。
 だがだが、この日、会場で聴いていて、可もなく不可もなく・・・の伴奏に・・・ちょっとなぁ。いやぁ、こうやって①と比べると録音も画質もいいし、それに、①よりずっとずっと各団員の腕が上がってるし、いいのだろうけど・・・・。綺麗だけど感動がない伴奏。
 フランス的リズム感覚も出ているのだけどねぇ。

 そして二年前

⑥ラヴェル:ピアノ協奏曲ト長調
(ピアノ)ユジャ・ワン
(管弦楽)NHK交響楽団
(指揮)シャルル・デュトワ

2014年ライブ画像







連続再生は下記クリックが便利

https://www.youtube.com/watch?v=1wDHMFziDTw&list=PLiH18JwQY7hI7PCEHdubvtBT1p8GGwHUX

 またまたデュトワが取り上げた。人気のワンの演奏。
 私、どうもユジャ・ワンは苦手になった。なぜ? どうも苦手。
 それと、ワンの演奏は、生で聴くとコンチェルトではオケの中にピアノが埋もれてしまう感じがする。
 これまたN響がいい音している。「いい音」というのは「綺麗」ということだが。
 しかしこれまた・・・・・私にはやや不満。

 ⑤にしても⑥にしても、デュトワ指揮だったら90年代前後がいいだろう。


【ミシェル・ベロフが三月に来日!!!】

 何々ぃ~~~~~ ベロフが来るらしい。おおおおおお~~~~~~~~。知らなかったぁ。

 曲目
フォーレ:ノクターン
  第1番 変ホ短調 op.33-1 & 第6番 変ニ長調 op.63
ラヴェル:水の戯れ/亡き王女のためのパヴァーヌ
ドビュッシー:2つのアラベスク/子供の領分
フランク:前奏曲、コラールとフーガ
メシアン:「幼子イエスに注ぐ20のまなざし」より
  第19番 「われは眠る、されど心は目覚め」
  第20番 「愛の教会の眼差し」

 2016年3月17日(木) 午後七時開演
 場所:墨田トリフォニー大ホール

http://www.pacific-concert.co.jp/concert/view/472/

 あらららら、これはこれは・・・・・。行きたくなった。そうなると止まらない。仕事の予定見てみたら・・・なんとかなりそうかな?
 思い立ったら即行動。チケットを買った。まだチケットが残っていた。私の好きなホールのトリフォニー。
 だが、少し心配。トリフォニーの響きは好きだが、ピアノ・リサイタルでのトリフォニーの大ホールは初めてなのだが・・・・。どの辺の座席がいいかと。オケの演奏会の時は私は好きな座席があるのでそこ狙いなのだが。さて、ピアノは・・・・。
 こういう時の座席選びは一種の「賭け」でもある。

 でも思う。ベロフのピアノの音は、サントリーホールでは味わえないだろう。東京だったら大ホールだったらば、文化会館だと思っていた。もちろん、中ホールだった紀尾井とかトッパンとかのほうがより以上にいいだろうけど。
 今回はトリフォニー・・・・。いいねぇ。多分、ベロフのあの音には合っていると思う。

 時刻は午後三時になろうとしている。そろそろ、若手社員二人は仕事終えて帰る頃だろう。あとは一人になってしまうのか・・・・。

 さてさて、仕事仕事。

【余白にちょっと・・・アルゲリッチのラヴェルのライブ画像2つ】

 こんなのがある。ひとつは既に何度もここで紹介したもの。名演奏。

⑦ラヴェル:ピアノ協奏曲ト長調

(ピアノ)マルタ・アルゲリッチ
(管弦楽)フランス国立放送管弦楽団
(指揮)シャルル・デュトワ

1990年 フランクフルト公演ライブ画像



 この時代はデュトワはフランス国立オケの首席だった。そして、私はこの時期のデュトワ、そしてフランス国立との演奏が好きだった。デュトワとフランス国立との組み合わせは天下一品だった。そこに、アルゲリッチが登場した日だった。

 これはいい演奏だなぁ。

 それとこんな演奏動画も昨年アップになっている。だが、オケ名、指揮者名が明記ないのだが、果たしてどこだろう? 指揮者は顔見ただけで判明するが・・・・。テミルカーノフだ。

⑧ラヴェル:ピアノ協奏曲ト長調

(ピアノ)マルタ・アルゲリッチ
(管弦楽)???
(指揮)ユーリ・テミルカーノフ

2009年ライブ画像



 イタリアだろうか?オケ。

 そういえばだが・・・・どうでもいいのだが、一時期、ベロフとアルゲリッチはよくデュオ等々で共演多かった。恋仲??なんていう噂もあったが・・・・。まぁ、どうでもいいことだが。

 まっ、この業界もそういう男と女の・・・・絶えないよねぇ。

 ⑦⑧も名演奏。