久々の完全休暇日。といっても私はこの二月に二週間の休みを頂いたのでどうも周りの同僚に引け目を感じている。これはサラリーマンの悲しい習性だ。別に周りは何も思っていない。私も心の中に「休み返上で働いているんだから、別に小さくなっている必要もないぜ! 会社に対しても同僚に対しても」と思っているのだが。それに、また内心「トータルすると私は有給含め、ずいぶんと残っているし」と胸張ってもいいのだが、でも、なんだか一日休んでも次の日は心の中は「小さく」なっている。これはかなり日本的サラリーマンの心理らしい。

 朝一番で東京に来た。目的は夜のコンサート、そしてその後はどこかで呑む。多分、シャンソニエあたりか?そしてアサイチの新幹線で出社。


【東京駅リニューアル】

 東京駅がリニューアルされてからどの位経つのだろう。今日、改めて外観を眺め、またその前に駅内のリニューアルの一部を歩いてみた。少々がっかり。
 綺麗になるのはそれは良い事。特に、外観、そしてその周りなのだが見違えるほど鮮やかにリニューアルは結構なのだが、こういう時って「どこか物足りない、どこか軽さ」を感じる。またまた偏屈オヤジである。
 歴史ある建造物のリニューアル、どこでもある。そして、色も鮮やかに蘇るのだが、その強烈な鮮烈な色が・・・・どうも、すい最近まで見慣れていたあの「色」とは違う。雰囲気が違う。
 こんな色だった???? なんて思うことある。そこから感じる「情景」も違ったものになって、なんだか寂しいことがある。今回の「東京駅」もそう。
 CGで作った映像をパソコンで見ているようで・・・なんだか・・・・。

 あの、例えば「庭園」・・例えば、どこかの老舗和風旅館の有名庭園があるとする。リニューアルにともなって、その「庭園」もリニューアルしたとき、行ってみるとがっかりすることがある。綺麗になっているが、歴史がないような庭になっている。だって、木々も庭石も池も、そのほとりも、そして蹲も・・・何もかも鮮やかな新品になっていると、どうも軽さばかり感じる。
 ああいうのって、年月経って、コケが生えたり、また、石にも埃や変化がしてきて、それで「重み」があって、だから「ここの庭園はいいねぇ。」となるものだと思うのだが。

 渋谷駅やその周辺もリニューアルのラッシュだなぁ。それは結構なのだが・・・・。


【音楽会場もリニューアルすると・・・・】

 サントリーホールは数年前、約三ヶ月の休館を得てリニューアルした。また、時折、部分的にリニューアルしている。どこのホールもそうだろう。
 外観、アプローチ等々新しくするのはまだいいとしても、客席のあの椅子の素材、そして、ステージ床の板などリニューアルすると音が全然変わってしまうので戸惑う。なじむまでに時間がかかる。

 NHKホールも同様。どこも同じ。
 これは仕方ないことだけども・・・・。でも、がっかりすること多い。

 でも、思った、今回、東京駅改めて見ておもった。このやや「空虚感」感じるリニューアル直後の風景って・・・・あの、今の演奏家の音だと思った。そう、そう、そうなんだよ、いつも、この状態のような「最新工法でリニューアル」の音、音楽なんだよなぁ。今の人の音楽。だから物足りない、どこか・・・。


【ホテル・チェックイン】

 午前中、ちょっと都内歩いて、そして昼に常宿にチェックイン。ここのホテルは顔なじみになっていて、予約の際に「早めのチェックイン希望」と時間入れておくとなんとかOKだからいいなぁ。もちろん、前日満室の場合などは「ロビーでお待ち頂くことになります」と言われるがこれは仕方ない。
 今日も昼過ぎにはイン。一応部屋に入る。
 朝飯も食べていないので・・・途中のコンビニから例のごとく弁当とカップラーメン。まずはこれで腹ごしらえ。これから一息して、近くのサウナ。夕方まで。そして、コンサートへ。との日程。


【エゴン・シーレの画集】

 二日前ほど、「エゴン・シーレ」の画集が到着していた。先のフランス旅行の際に、南仏プロヴァンスの街角のアンティーク・ショップのような所で見かけた物だった。古書だったけども、なんだか気になって送って貰った。値段もちょっと高かったけども、でも調べてみたら相場よりもかなり安い。買い得だったか・・・と。

 エゴン・シーレ・・・・いつかこの人のこと書いたことある。なんだがグロテスクな絵を書く人だと思っている。R20、青少年有害図書に指定されそうな(笑)

 この人の絵に興味持ったのは、作家五木寛之の小説「哀しみの女」を読んでから。あれは二十年ぐらい前になるのか? シーレの作品「哀しみの女」が題材として書かれた小説である。でもその内容も何もかも五木さんのオリジナルでありフィクションであるけど。ほんと、不思議で、そしてなんとも怖い表情の絵だった。




 今回、なぜにシーレの画集を? 
 シーレの絵は実際に見たことある。どれもがなんだか目を背けたくなるようなエロチックかつ時としてグロテスクな絵。それを芸術とみるかどうかは各々判断だが。
 でも、私、彼の絵に書かれた人間のあの表情が・・・・忘れられない。何か何か、訴えようとしている目が・・・。表情が・・・・。怖いのだけどね。何訴えようとしているのだろう?と。

 シーレの作品見ていると、私は、どこかマーラーの音楽の中の一部分を思い出す。
 よく、マーラーの作品のCD等では「クリムト」の絵をジャケットにするのは見かけるが・・・例えばあの「接吻」など・・・。私、若い時は、そのクリムトの絵でさえ、見るのがちょっと恥ずかしい感じしたものだが・・・純粋な青年だったから私。

 でも、マーラーの音楽の片隅には、このシーレの作品のようなものが見え隠れするように思うのだ。だから、興味持った。
 この件についてはまた後から、オヤジの講釈を述べるかも・・・・。


【春を感じる朝に聴いていた音楽~動画より】

 今朝方、早起きして聴いていた画像がある。いい演奏だった。

 それは、指揮者ハンス・グラーフのタクトでのオランダ放送フィルのコンサートの一夜のプログラム。曲目にプーランクとストラヴィンスキーとあったので興味あった。再生してみてこれは「正解」と思った。
 すばらしいコンサートのよう。

○ハンス・グラーフ指揮/オランダ放送フィル演奏会



内容
プログラム
・プーランク:グロリア
・ストラヴィンスキー:アヴェ・マリア
・ストラヴィンスキー:天にまします我が父 Pater Noster
・ストラヴィンスキー:「詩篇交響曲」
(ソプラノ)クラウディア・パタッカ
(指揮)ハンス・グラーフ
(合唱)オランダ合唱団
(管弦楽)オランダ放送フィル
2010年12月19日

 なんだか、こういう音楽、今まで興味なかったこういう音楽が心に染み入るようになった。
 一曲目の「グロリア」は好きな曲、CDもかなり集めた。プーランク大好きだから。
 ここでのソリストの女性がいい。最高だ。有名なクラウディア・パタッカ・・・・・・いい声だ。

 それから、ストラヴィンスキーの「アヴェマリア」がいい。それからコーラスでの「Pater Noster」がいい。
 人間の声というのはいいねぇ。

 そしてそして「詩篇交響曲」がブラヴォー。

 グラーフはベテランの名指揮者。日本にも何度か来日。そして、世界の有名な劇場やオケの客演多い。だが、不思議、彼はその名声に見合った「ポスト」にまだ付いたことない・・・不思議。
 でも、彼の演奏は素晴らしい。
 なんだか、そういうのは、あのワルベルクに似ているかも。つまり、いい指揮者なのだが、世界のオケから引っ張りだこなのだが、ポストには無縁であるような・・・・。
 レパートリーが広いしなぁ、この指揮者。

 上の動画、オケもいい、ソロもいい、コーラスもいい、指揮もいい。私、こういう演奏会の、このような質実な演奏が好き。

 ところで、上記プログラミングだが、あのデュトワが組そうなラインナップ。事実、プーランクの「グロリア」やストラヴィンスキーの「詩篇」はN響と演奏したことある。
 
 上記のラインナップそのままデュトワとN響がやったらどうだろう?
 期待したいのだが・・・期待半分のほうがいいかな

 いや、今言っても仕方ないが、1980年代後半から1990年代半ばあたりまでのデュトワ/N響だったら、名演奏間違いなしだろう!!!! って、今言っても始まらない。
 デュトワだったらデッカに録音したモントリオールとのCD録音で我慢したほうがいいか。

 さて、時刻は一時回ろうとしている。サウナ、サウナ。サウナに一風呂。そして、汗流し、夜はコンサート&何処かのライブ。酒と行こう。