小説 「ユビン、面白きかなこの旅は No.001」 | 心の病でもスピは最強! ~やさしさと、激しさの軌跡から~

心の病でもスピは最強! ~やさしさと、激しさの軌跡から~

私が描く未来社会は、人々の価値を認め、理解と愛の中、共に歩んで行けるものです。それを、精神的な病を経てきた私なりに描いていこうと思いました。

硬くなりすぎず、時にはゆるく進められれば、いいかなと思います。ではお楽しみに ( ╹▽╹ )

【如何なるときもユビンはユビン】


「さあ、始めよう。これがなけりゃあ無理だもんな。そうだよな」

ここは辺境の地、アモラン。この地球上?だが、名も載ってなく、地上の人は誰も知らない場所。訳あって、ここでその一端を伝えることにする。

彼の名はユビンと言う。一応は一流の精霊使いである。そして、踊りの名手。その上、女には目がないというが、今は謹慎中で、コリオの丘での修行の最中である。だから、人としては一人っきりだが、彼の師とその他大勢はいつだっている。

「おい、忘れたわけじゃあるまいな」
「えっ、何です。何をいまさら」
「今は謹慎中だぞ。この私のいいつけ通り従わなければならないんだぞ」
「わかってるさ。だから、あれがなければ無理なんだよ。言っただろう。いくらあなたの命令でも、一振りのバンダがなければ無理なんだから」
「わかってないなぁ、お前は。それが原因の一つじゃあないか。だから、よこせ。それを」
「嫌だよう」と彼は縛を解いて逃げ始めた。
「仕方がないな。では、やむを得まい。あの場所へ連れて行ってあげることにしよう」

師は不意に目を閉じると、手を組み合わせ朗々とした声でなにやら唱えるのだった。

「この者、このコリオの丘において罪を犯したもう。よろずの地のアイラをもちて、山のケツに閉じ込め給え。して、始まりの儀をなさしめ給え。神よ。精霊よ。なさしめ給え」

ひゅ〜と風が吹き始めると彼の体が浮き上がり、何かに吸い込まれるように舞い上がっていく。
「あ〜参った。勘弁を。どうか。お師匠、勘弁を」
そして、その風と共に、彼は宙に舞い、吸い込まれるように山の中腹のポッカリ空いた穴に吸い込まれていった。

「仕方ない。これはしたくなかったが、しなければ、また調子に乗るからな。おーい、そこにはな、誰も届かぬし、どんな精も寄り付かぬから、しっかりと反省せいよ。わかったな、ユビンよ。飯もないぞ。ただあるのは、自身の本質へと至る鍵のみ。早く出れるに越したことはないが、半透明の世界ゆえ、世界の概念が違うだけじゃ。まあ、ひとりでひとりに出会え、わかったな」


つづく





こうして、ユビンの物語は幕を開けましたが、これからどうなるのかは、作者である私にもわかりません。どうかご勘弁を。そして、即興小説でもあるので上手く話が収まるかどうか。


では、またお会いしましょう🤗