先日紹介した、「アマゾネス対ドラゴン 世紀の激突」に続き、退屈でもほっとする安定の(?)70年代作品を紹介したい。今日は、「太極八蛟」 (1977年、監督 : 午馬(ウー・マ)、The Flash Legs、Shaolin Deadly Kicks)だが、本当はそのはずではなかった。というのも、そもそも譚道良主演の「太極八蛟」は10年以上前に観てブログで紹介済みなんである。私が観たかったのは主演が誰だかわからないこのDVDジャケットの作品。

 

裏面を見ても、譚道良や羅烈はいない。とりあえず再生してみたら、

 

パッケージと同じタイトルだ。どうやらフランス向けタイトルのようでパッケージとタイトルだけでは何の映画か分からない。とにく観てみようと再生してみると、中身は「太極八蛟」だったというオチ。まあ、久しぶりに観られたことだし、もう一度紹介したい。

 

エイトドラゴンと呼ばれる強盗団が、宝の地図を盗むため屋敷に潜入した。半分顔を隠しているが、主な出演者はほぼこの8人に集約される。ただ仏盤DVDはフランス語吹替でチンプンカンプン。細かいストーリーが分からなくて困っていたら、退屈&癒し系功夫映画仲間のkiyoさんのブログに詳細ストーリーが紹介されているではないか。これは助かるなあ。でも、ここまで細かく話が分かるのが驚きです。

 

主演は譚道良(タン・トゥリャン)。エイトドラゴンの1人として潜入していた捜査官であった。宝のありかを記した8ピースの木片を回収しながら敵を倒していく。

 

エイトドラゴンのメンバーに金世玉、陳森林、李小明ら。金世玉などは短い時間でいいアクションを見せるのだが、こうした小者たちは早めに登場し早めに殺される。大物俳優ほど後半にならないと出てこない、というパターンの作品だ。

 

曾超や陳慧樓なども出てきては画面から消えていく。曾超は同僚の捜査官であり、彼が死んで譚道良は孤立無援となる。

 

そんなタイミングで 龍君兒(ロン・ジェンエール)が登場、悪い男たちに絡まれているところを譚道良が救うが、

 

助太刀は要らないくらい彼女も強い。

 

エイトドラゴンのメンバーでも印象に残るのが木こりの金剛(カム・コン)で、盲目の母親と病気の息子を養うために懸命に働いているという設定。

 

母親にはベテランの歐陽莎菲、

 

妻を演じた女優はクレジットされていないが、「どこかで見たことあるぞ」と思ったら、以前この映画で観ただけでした。ボケてるなぁ。

 

譚道良主演ということでアクションシーンは十分用意されているが、とりわけ、金剛との対決は見せ場の1つと言えるだろう。

 

後半も続々といろんな役者が登場してくるが、左から龍飛(ロン・フェイ)、蔡弘、右は、手下の吳家驤。

 

龍飛はこんな武器を使って譚道良と激闘するし、

 

 蔡弘は荷車で戦う。こうした敵役のアクションは上半身が中心で、唯一、金世玉だけが足技を駆使したアクションを披露したという印象だ。

 

あと3人残っているエイトドラゴンだが、真ん中の王俠がその1人。右は手下の鄭富雄。王俠の投げた短刀で負傷した譚道良を救ったのが、

 

もうお分かりですな。ロンちゃんの懸命な看病で譚道良は回復し、2人の間には恋も芽生える。

 

しかし、彼女の父親(盧迪)はエイトドラゴンのリーダーであった。次々と人物が登場する慌ただしさを、次々と殺して画面から消すことで整理するような映画だけに、この父親も娘を守るために殺されちゃうんです。

 

最後の1人、羅烈(ロー・リエ)か出てくるのはもう終盤のこと。チェーンのついた鉄の手を投げてくるので、

 

譚道良もロンちゃんも身体中に傷を負いながら力を合わせて戦う。

 

最初に紹介したDVDパッケージの写真だが、このフランス盤は功夫映画8本をシリーズ化していて、シリーズ内の映画のものが使われているようである。

分かるものと分からないものがあるが、タイかインドネシア盤と思うような画面デザインだなぁ。フランス盤はもうこりごりです。