今日は「お待たせしました、いや待ってないよ」でおなじみの中華映画ですが、私には珍しく2021年の作品、「レジェンド・オブ・ドラゴンテイマー 降龍十八掌 」(射雕英雄传之降龙十八掌、 THE LEGEND OF THE CONDOR HEROES:THE DRAGON TAMER)を紹介したい。監督はジュ・リンフォン(朱凌锋)と ティヤオ・ユー(刁羽)である。まいったな、全然知らないぞ。
70年代の功夫・武侠映画ばかり観てきた私にとっては、新しい作品はタイトルバックから新鮮に映る。
武侠小説の大御所、金庸の代表作『射鵰英雄伝』のクライマックスシーンをピックアップして映像化したもの、ということらしい。武林の達人たちが「九陰真経」なる秘伝書を巡って戦った20年前の因縁が新たな戦いを呼び起こすというお話。
主人公の郭清を演じたのは、耿业庭(ガン・イエティン)。こんな20歳くらいの若手俳優、もちろん私が知るはずもない。
彼のピンチを救ってくれたのが、身なりも汚い若い女性、黄蓉。演じたのは林妍柔(リン・イェンジョウ)だ。
汚れを落として身なりを整えると、こうなる。実は彼女、黄薬師という達人の娘であった。急速に親密になる2人は、彼女の父親に会いに行こうとするが、
彼の師匠で江南七怪のリーダー(蒋中炜)と仲間たちは逆上する。江南七怪の1人は黄薬師に殺されたため、娘の黄蓉も彼らの敵というわけだ。
2人を迎えた黄薬師に关礼杰。だが、そこには
彼の娘と自分の息子を結婚させようとする欧陽峰(アレックス・トー)がいた。息子役は欧陽克。
急に婿選び対決をさせられる郭清は焦る。戦っても「足が地につかない」とはこのことだな。
降龍十八掌を郭清に教える達人の洪七公に岳冬峰(ユエ・トンフェン)。
修行してても足が地につかない様子。
このほか、幻術使いの周伯通に林子聰(ラム・ジーチョン)、
あとは、知らない俳優がいろいろ。
郭清役の耿业庭は決して悪くないが、
全編に渡ってキュートな笑顔を振りまいた林妍柔のほうが、主演を引き立てた、というよりむしろ目立っちゃってる感じだ。
70年代だと田舎で何もない殺風景なところで戦ったりすることが多いが、今はCGでどうにでもなるからなぁ。
大蛇が襲ってくるシーンも迫力があって、短いが見せ場の1つにはなっているし、
空中でのアクションも、トランポリンで飛べる範囲での跳躍で見せていた70年代とは迫力が違う。
ということで、たまには新しい作品もいいなと思った次第である。総じてアクションシーンは見栄えがするし、ストーリー展開のテンポも速く、しっかり楽しめる作品になっている。だから退屈することもない。強いて不満を挙げるとすると、「退屈しない」ということかな。
退屈と癒しを与えてくれるカンフー・武侠ものを観すぎたせいなのかもしれないなぁ。