今日ご紹介するのは、ウィリアム・バーク監督の「密林の黄金」(1950年、Mark Of The Gorilla)である。このポスター画像はほかから拝借しました。

 

主役のジャングル・ジム(!)を演じるのは、ターザン役でお馴染みのジョニー・ワイズミュラー。1948年に作られたジャングル・ジムシリーズの第4作ということらしい。68分という短い作品だが、70年代の中華製功夫映画に負けないくらい、突っ込みどころ満載の作品だ。

 

政府狩猟官のベントリーを訪ねる途中、ゴリラに襲撃されたニオビという女性を救う。ベントリーは容態が悪く、医者のブラント(オンスロー・スティーヴンス、写真左から2人目)が出迎えるが、ベントリーになかなか会わせてもらえない。

 

ベントリー(セルマー・ジャクソン)はジムと姪のバーバラに何かを打ち明けようとするが、何者かに殺されてしまう。

 

バーバラ役にはトルーディ・マーシャル、

 

正体不明の女性ニオビ(スザンヌ・ダルバート)は、実はシャリカリ国の王女であった。

 

ターザン俳優が主役でジャングルを舞台にした映画ということで、いろんな動物が出てくるが、

 

こういうシーンだけとってつけたようにドキュメントタッチなのは、ストック映像を使ったためのようだ。

 

ジムがライオンと戦うシーンも怪しげだが、アフリカにいないはずのトラとライオンの戦いも怪しい。

 

ただし、ストーリーに絡んでくるゴリラだけはちゃんと撮ったものだ。

 

左下を見ると、かぶっていたゴリラの面を脱いで一服しているし! ということで、この映画は、ナチスが残した埋蔵金のある洞窟に現地の人間を近寄らせないよう、ゴリラの着ぐるみを着た男たちを雇って脅させていた、というもの。

 

犯人にこんなところまで追い詰められた主人公たちがいかに敵をやっつけ生還するか。

 

原住民のレンジャー部隊も駆けつけ銃撃戦となる。

 

ジョニー・ワイズミュラーは、ターザンでは「ア~ア~ア~」で済んだが、本作では演技がひどいのがバレちゃっている。そのため、台詞は極力短くシンプルなものになっているし、彼の代わりに犬やカラスなど彼の仲間たちが存分に活躍してカバーしている。ワイズミュラーが水泳で金メダルを取るなど活躍したのは20代、ターザンは30~40代、本作では44歳となっているが、私に比べるとまだまだ若い(笑)。ジョン・ウェインが68歳で「ブラニガン」で乱闘シーンをこなしたりしたことを考えると、私はアクション俳優じゃなくてよかった、と思う今日この頃である(よう言うわ)。