今日ご紹介するのは、アンソニー・マン監督の「雷鳴の湾」(1953年、THUNDER BAY)である。ルイジアナの港町の沖合に基地を建設した主人公たちが、漁師たちの抵抗にあいながらも海底石油の採掘を成功させるドラマだ。

 

主人公のスティーヴを演じたのは、アンソニー・マン監督作ではお馴染みのジェームズ・スチュアート。左は、相棒のジョニー役のダン・デュリエ。

 

彼らは発掘調査のためにドミニク(アントニオ・モレロ)から漁船を借りる約束をするが、彼らの素性を怪しむ長女のステラ(ジョアン・ドリュー)の猛反対にあう。

 

石油会社が危機に瀕している中、社長のマクドナルド(ジェイ・C・フリッペン)は、過去、発掘に成功していないスティーヴに最後の夢を託す。

 

船からダイナマイトを投下しての調査で、えび漁を生業とする漁民たちの怒りを買う。中立の立場をとる漁師テッシュにギルバート・ローランド。

 

ステラの妹フランチェスカ(マーシャ・ヘンダースン)は、ジョニーに惹かれるが、父親が反対し家を出る。

 

彼女を取られたフィリップ(ロバート・モネット)は嵐に乗じて採掘基地に潜入し爆破しようとする。

 

油田は無事発掘でき、漁師たちとも和解、フランチェスカの父親はジョニーと娘の交際を認め、

 

スティーヴへの誤解が解けたステラも彼と結ばれる典型的なハッピーエンド。男の情熱を描いたドラマにしてはちょっぴり甘さが気になるものの、娯楽作品としてマン監督がそつなくまとめている。