今日ご紹介するのは、お馴染み、チャーリーズ・エンジェル……あれ、何かちょっと違うな。これは、タイ映画「Chai Lai Angels」(チャイライ・エンジェルズ、2006年、ポット・アーノン監督)なんである。日本では劇場公開されなかったが、「マッハ!エンジェル」なる邦題でDVDが発売されている。それを知らずに香港から取り寄せてしまったわい。

 

5人の美人女性犯罪捜査官が活躍するコメディタッチのアクション映画で、もちろんあのチャーリーズ・エンジェルをモデルにした作品だ。あっ、美人って書いたけど、全員が美女というわけではない。それがこの映画の良さでもあるんだけど。

 

映画は、海底に隠された真珠「アンダマンの女王」の在処を知っている日本人の空手家が襲われ、その娘ミキが、飛行機の中で秘宝を狙うテロリストたちに人質に取られる場面から始まる。CAや乗客に扮したエンジェルたちが狭い機内で闘う。

 

5人のエンジェルを紹介しよう。ロータスにスパクソーン・チャイモンコン。

 

ローズにボンコット・コンマライ、

 

ポイシアンにゲーサリン・エータワッタクン。綺麗どころはコミカルな演技よりお色気とアクションで見せ、

 

スパディックスを演じたブニヤーワン・ポンスワーンは専ら笑いを取る役で目立ち、

 

ハイビスカス役のチンタラー・プーンラープも、捨て身の演技で活躍する。

 

捜査で助け合う刑事たち。ハイビスカスと右端のKrit Sripoomsethとの恋も芽生える。

 

 

ミキの義母は実はテロリスト側だったり、悪役にはコミカルな女装キャラを入れたり、エンジェル側のスパイが潜入していたりといった飽きさせない工夫もあるにはあるが、

 

作品の売りはアクションとお色気だ。カーアクションは古臭さがあるものの、スピーディ。

 

こうしたシーンも最近の映画のような迫力には欠けるものの、一種の懐かしさを感じさせる楽しさに溢れている。

 

水中アクションから

 

空中アクションまで、

 

さらには戦車も登場させるなど、見せ場はふんだんに用意されている。

 

一方、セクシーな部分は、こうしたさりげないシーンを含め、エロやいやらしさは一切排除し、

 

バスタオルを巻いた姿のままでのアクション

 

水着でのアクションなど、あくまで健康的なお色気で勝負していて、好感が持てる。

 

5人のエンジェルが常に衣装やヘアスタイルを替えて登場するのもさりげないサービスと言えるだろうか。

 

DVDにはメイキングやインタビューもある。

 

美女も中途半端ならアクションとお色気とお笑いも中途半端、と感じる向きには退屈する一作になるかもしれないが、睡眠時間をたっぷりとっていても睡魔が必ず襲う類の70年代香港武侠・功夫ものをあれだけ楽しんで観ている私にとっては、文句なしに楽しいB級セクシーアクションであった。