今日ご紹介するのは、川島雄三監督の「喜劇 とんかつ一代」(1963年)である。前回ご紹介した「上海灘十三太保」と同じく、豪華俳優陣が一堂に会する作品なので、またもや主要な俳優さんの紹介だけで終わりそうです。

 

トンカツがプリントされたDVDは他に絶対ないだろうな。

ていうか、タイトルバックもブタちゃんだし。

 

舞台は東京・上野。フランス料理店のコック長(加東大介)の下で修業し、彼の妹(淡島千景)を嫁にもらうも、転身して「とんQ」というトンカツ屋を営む森繁久弥。彼らを中心に、その周囲も巻き込んで展開する人情喜劇だ。

 

加東の息子役にフランキー堺。

 

加東の妻に木暮実千代、その連れ子に池内淳子、その夫に三木のり平。

 

このほか、山茶花究、その娘に団令子、

 

岡田真澄、横山道代、

 

水谷良重、益田喜頓。豪華12大スターと銘打っているが、ちょうどこれで12人だ。

 

上野のれん街のお店の話ということで、上野動物園と当時の園長の林寿郎氏も出演している。

 

画像を並べるとお気づきと思うが、これらスターが常に複数で画面に出ているため、個々の俳優のアップがほとんどなく、引きの画像ばかりで構成されている。

 

本ブログでは川島雄三作品を何度も取り上げてきたが、いずれも素晴らしい作品ばかりである。本作に限っては、多くのスターが顔見せ的に登場し、画面が常に賑やかだ。登場人物をじっくり描いた他のドラマとはちょっと勝手が違って物足りなさもある。しかしながら、スターがちょっと顔を出しては消えていく「上海灘十三太保」と異なり、全員、ストーリーに不可欠なキャラとして最後まで顔を出しているのである。これはなかなかできないことかもしれない。