フランス映画、もう1本続けます。
「華麗なる大泥棒」(1971年、Le Casse)である。前回紹介したダンケルクと同じく、アンリ・ヴェルヌイユ監督とジャン=ポール・ベルモンドのコンビ作で、この画像の通り、泥棒を主人公にした娯楽アクション映画で。100万ドルのエメラルドを巡っての警察との攻防にお色気やカーチェイスなどを盛り込んでいる。
主人公のアザドを演じたのがジャン=ポール・ベルモンド。
四人組で行動している。
ロベール・オッセン(左)とレナート・サルヴァトーリ、
紅一点にニコール・カルファン。
屋敷に侵入して富豪のエメラルドを狙うが、金庫を開ける秘密兵器が、当時としては画期的でも今見るとオープンリールテープのような装置があったりして、レトロなのがいい。
彼らを追う警部にオマー・シャリフ。
悪い奴2人の対決というところだが、彼らの駆け引きも見どころの1つとなっている。
彼らの攻防戦に割り込んでくるのが、謎の美女、ダイアン・キャノン。個人的には彼女をいいなと思える出演作に出会ってないのが残念。
カーチェイスアクションもある。車の入れない地下道入口にも堂々と入っていく。
階段もモノともせず、車はボロボロだ。アメリカ映画のカーアクションとはまた違った雰囲気で楽しめる。
走行中の電車から飛び降りて車の屋根伝いに逃げる、ベルモンドの吹き替えなしのアクションも凄い。
ベルモンドもまだ30代後半とはいえ、この頑張りは素晴らしい。
クライマックスは穀物サイロでのアクションだ。
最後はビルから船の貨物に飛び乗っての逃亡で締めくくる。
主人公と女性陣の絡みも描かれる。お色気で近づくが実は…というダイアン・キャノンと
あくまで仕事の同志だが実は…というニコール・カルファン。ユーモアも交えながら2時間弱にいろんな要素を詰め込んでいるが、エンニオ・モリコーネの音楽も素晴らしく、娯楽アクションなのにアメリカ映画のそれとはまったく異なる楽しみ方ができる一作だ。