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新年おめでとうございます。正月第一弾は恒例のシャンカン・リンホー作品と言いたいところだけど、観尽くしちゃって、なかなか入手できない状況なんである。

 


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そこで、今朝TVでやっていた、「ヤマカン」が主人公の映画、井上靖原作の「風林火山」(1969年、稲垣浩監督)を紹介したい。昔は正月はTV映画が充実していて、朝まで3本くらい続けて観たりもしたものだが、最近は地上波は全滅。TVで映画を見るという時代はすっかり過去のものになってしまったようだ。「風林火山」はBS朝日で2時間45分、ノーカット放映された。

 


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ヤマ勘という言葉の語源にもなったとされている、戦国時代に武田軍で活躍した武将、山本勘助の物語である。演じたのは三船敏郎。

 


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武田晴信に中村錦之助(萬屋錦之介)。


 


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諏訪高島城が武田の手におち、父の仇の側室に迎えられて彼の子を産む由布姫に佐久間良子。

 


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由布姫の子、武田勝頼に中村勘九郎、後ろは板垣信里役の中村嘉葎雄、その父親の板垣信方に中村翫右衛門。


 


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このほか、中央の志村喬をはじめ、田村正和、香川良介、中谷一郎、久保明、土屋嘉男、嵯川哲朗、中村梅之助、南原宏治、平田昭彦などなど、多くの俳優が出演するが、台詞を与えられた俳優でも出番は少なく、

 


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上杉謙信役の石原裕次郎に至っては、一切台詞がない。

 


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槍兵の緒形拳との出会いのシーンはなかなかいいが、緒形の妻を演じた春川ますみなどは、台詞はおろかロングショットのシーンしかなく、別の女優でもまったく問題ないのではないか、という印象だ。これだけの出演者を集めながら、そのほとんどが脇役扱いされているのは、今の映画じゃ考えられないことだ。


 

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女優陣では於琴姫に大空真弓、このほか、久我美子や市原悦子など。

 


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晴信が出家し信玄と名を改めた頃、越後の長尾景虎も上杉謙信と改める。

 



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何度か行われた川中島の戦いは、映画の中では1つに集約されている。武田側の一万八千の軍勢が川中島に向かう様子をわざわざヘリで上空から映すシーンを挿入したあたり、相当なエキストラを使っているのだろうなあ。

 


姫を慕いながらも陰から見守り支える勘助役の三船は、同じ稲垣・三船コンビの「無法松の一生 」の松五郎とダブって見えるが、勘助のほうは、やや饒舌なのが玉に瑕だ。しかし、この時代はこれだけの俳優を集めてこういうスケールの映画を作れたということなんだね。音楽の佐藤勝も、今の映画にはない雰囲気を醸し出している。


 

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