テロリスト・黒い9月 ミュンヘン [DVD]/ウィリアム・ホールデン,フランコ・ネロ,シャーリー・ナイト
¥995
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今日ご紹介するのは「テロリスト・黒い9月」(1976年)。ウィリアム・A・グレアム監督のTVMである。もともと劇場公開の予定だったが、「ブラック・サンデー」などと同じく公開を見送られた一作である。1972年に開催されたミュンヘンオリンピックで、テロ組織、黒い九月(ブラックセプテンバー)が選手村に潜入し、イスラエル選手を人質に取り、結果的に全員殺害されたというあの事件のドラマ化である。私は先に1999年のドキュメント作品「ブラック・セプテンバー/五輪テロの真実」を見ていたため、“事実に勝るドラマなし”とでも言おうか、インパクトの点では比べようもないんだけど、この事件をどう料理するのかという点に興味を持って見た次第である。



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テロリストのリーダーにフランコ・ネロ。凶悪なテロリストたちを束ねる知的で温厚な人物、というイメージに適ったキャスティングだと思う。


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西ドイツ警察側の陣頭指揮をとるシュライバー署長。実際にはテロリストのリーダーであるイサに対して手も足も出なかったのであるが、署長をウィリアム・ホールデンが演じたこともあってか、このドラマのほうでは終始、警察が主導権を握っているような印象を受ける。


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犯人との駆け引きに警備隊員の制服を着せた女性を使った点も、ドラマでは大きくクローズアップされ、シャーリー・ナイトが男だけのドラマに紅一点の役割を果たす。


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モサド長官であるザミール将軍にアンソニー・クエイル。ドラマでは、西ドイツ警察のやり方に疑問を抱くものの、強く異議を挟んだりはしない。


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カウボーイハットをかぶったテロリスト副官ほか登場人物の容貌や雰囲気などは事実に近いイメージだ。


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リアルに再現しようとした分、ドラマとしての盛り上がりに欠けたきらいもある。というくらい真面目な作りの映画である。70年代の作品だけに、出てくる俳優さんたち、脇役も含め、何となく味があります。


次回は1999年制作のドキュメントを取り上げたい。