昨日食べたご飯が何だったか忘れる年齢になると、10年以上前に観た映画って、なかなか思い出せない。本日は、「フォロー・ミー」 (1972年、Follow Me!)なんだけど、キャロル・リード監督作品は、「落ちた偶像」「邪魔者を消せ」「華麗なる激情」「第三の男」などを観ていて、「フォロー・ミー」はいつ観たのか、かすかに記憶があった程度。まさか、すでに自分のブログで取り上げていたとは思いもよらなかった。ボケボケちゃんです。
 
ということで、2010年1月13日のブログで紹介済みなので、画像だけ差し替えて、文章は当時のまま残し、必要に応じて注釈を入れたいと思います。
 
昨日、テレビ東京で「フォロー・ミー」(1972年)をやってましたね。すでに見た映画でも、あるいは当時は興味がなかった映画でも、とりあえず70年代の作品が放映されるとなぜか予約録画をしてしまう私である。監督は、巨匠キャロル・リード。モノクロの時代のいくつかの傑作とはまた違った意味で、印象に残る遺作となった。
※注) 本国イギリスの原題は「Follow Me」だが、米国では画像の通り、「The Public Eye」となっている。


会計士のチャールズ(マイケル・ジェイストン)が、毎日長時間一人で出かけていく妻の行動を私立探偵に探らせるが、妻は自分を尾行する探偵との心の触れ合いを楽しむようになる。


妻のベリンダを演じたのはミア・ファロー。この役が彼女でなかったら、一体どんな感じになっていたのだろうか。


ユニークなキャラの私立探偵、クリストフォルーを演じたのはトポル。脚本のピーター・シェーファーは、自分の手による芝居の台本を映画用に書きなおしたそうだが、チャールズの回想や私立探偵の報告の中にさまざまなシーンを入れ込んでいく構成が素晴らしい、なんとも小洒落た作品である。


ベリンダと、彼女を尾行するクリストフォルーとのロンドンの街の散策シーンがこの映画の印象を強くしている。一切会話はなく、バックに流れるジョン・バリーの音楽が堪能できるひとときだ。
 
 
Follow Me! (Barry)/Original Soundtrack
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この映画、なぜかDVD化されていないようだが、サントラだけはCD化されているようで、びっくり。音楽で映画の雰囲気を思い出するのも、なかなかオツなものではないだろうか。

 

※当時の記事はここまで。画像はアナログ放送の4:3の画面だったが、その後、DVDも発売されてワイド画像で紹介できたので、ついでにもう何点か追加しておきたい。

 

地位もある上流階級のエリート男性が、金はなくても自由気ままな生活を送る女性に惹かれたとしても、生活のスタイルも、付き合う人たちも、価値観も異なり、彼女にとっては息が詰まる日々となっていくのは当然であろう。

 

私事だが、家出をしてきた妻といわゆる駆け落ちで結婚し、極貧生活を送った私たち夫婦は、互いの価値観の相違を云々する余裕もなく、日々支え合って生きるしかなかったせいか、結婚生活の危機らしきものもないまま40年近くが経過している。金がなくて生活には随分苦労したが、かといって、必要以上の金は持たないほうがうまくいくのかなとも思ったりする。

 

強いて現在の危機が何かと言えば、私が「フォロ・ミー」をブログに書いたのに全然覚えていないことかな。10年くらい前はDVDを見始めたり本を読み始めて間もなく、「あっ、これ一度観た(読んだ)やつだ」と気づけたのだけど、最近は、一度観た映画や一度読んだ本でも、新鮮な気分で楽しめるから困ったもんです。そのうち、昼ごはん食べたのを忘れてもう1回ご飯食べたりする日が来るのだろうか…。太っちゃうな。