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今日は、佐藤純彌監督の「植村直己物語」(1986年)を取り上げたい。大学時代から死に至るまでの冒険スピリットと男のロマンに満ちた偉業を追うが、日常とのギャップを感じさせる彼の人柄や性格、彼との結婚生活に人生の光を見いだそうとする病弱な妻の視点などが描かれているのが印象的な映画である。
植村役は西田敏行。キャラが強すぎてもっと地味な俳優のほうがいいような気もするが、冒険家としての表情だけでなく、臆病でシャイで目立つことが嫌いで劣等感も抱きながら、努力家でいざとなると強い精神力を発揮する彼の人柄がクローズアップされるわけで、これだけの大役をこなせる人ってそうそういないんじゃないかなとも思う。2時間20分のスケールに負けない、大熱演である。
妻に倍賞千恵子。植村役と同様、もっと無名の俳優の起用もあったと思うが、上述したような冒険家の妻の立場や視点も映画の重要な要素であり、西田とのバランスも考えるとこのあたりに落ち着くのかな。母親役の山岡久乃も印象的。
山岡久乃同様、乙羽信子もまだ若い。古尾谷雅人、小沢栄太郎など、今は亡き人たちが多く登場する。このほか、若林豪、山本圭、左トン平、池部良、大滝秀治など著名な俳優が脇を固める。
人間そのものを描いた伝記ものとはいえ、山岳や極地の冒険シーンが半分を占める。役者たちの力の入り方も凄いが、よくこれだけの撮影をしたものだと感心する。素直に「世の中にはこんな人間もいるんだ、こんな生き方もあるんだ」という思いで見ました。
ところで、このブログの画像がついに1,300枚を超えてしまった。ファイルは軽いので容量はまだ3%程度と何の問題もないのだが、数の上ではもう整理できるレベルではなくなったなあ。