新しい年に入り、ブログの更新が遅くなってしまい、

申し訳ありませんでした。

改めて皆様、今年もよろしくお願い致します。


さて、今朝の日経新聞も、朝日新聞も、一面トップは

  「日銀の今年の経済成長率の見通しが2年連続マイナス」

その横には大手企業の正社員削減の記事が並んでいます。


昨日お伺いした企業で出ていたお話、

これまで就業規則に休職規程を盛り込んでおらず、新たに

付け加えなければとおもっていたが、このような時代になったので、

このままで行くことにした。


一昨日ある企業でのお話、

昔はメンタルの不全者が出ると、人事としては辞めてもらう

方向ばかり考えていたが、ここ数年はCSRの観点からも、

精一杯対応している。でも会社の負担が非常に大きくなっている。

この時代乗り切れるだろうか・・・


新年会でお会いしたある企業の課長さんのお話、

リーマンショック以降、残業代も絞らざるをえなくなり、若手社員は

早く帰すようになった。それが全部管理職にのしかかっている。


そしてこんな話も・・・

ある大手企業の中途入社社員。

気分の浮き沈みの激しいところがある女性。

そんな性格のためか、入社早々周囲とぶつかり、不適応状態と

なり、病気を理由に休みがちに。半年を過ぎ、試用期間が終わると

同時に、長期欠勤に入り休職。口頭では周囲との人間関係による

「うつ」と言いながら診断書は「急性胃炎」か何か身体の病気を

理由に。休職してすぐ結婚・妊娠。休職期間が切れる頃を見計らい

体調が思わしくないと産休を早めに取り、出産。産休から育休に

替わり、そのうちに2子目の妊娠と言うことで、続けて産休に。

この女性は、入社3年以上経ちますが、実質的に職場に来たのは4ヶ月程度。

その後は、うまく会社の制度を利用し、安定収入と将来の職場復帰を

確保しながら家に居ます。


職場のメンバーや人事だけでなく、この女性の学生時代の恩師まで、

「あの女性ならやりかねない。故意犯だろう」とのこと。

またこの女性のご主人は法律の専門職とのことで、なおのこと

就業規則等徹底的に調べあげてのことのようです。


職場は産休・育休扱いの為、欠員にできない。新しい社員が補充されず、

残りのスタッフで対応。もし職場復帰されてもほとんど仕事を覚えないまま

5年近く現場を離れた人に戻ってきてもらっても困るし、以前のようなトラブルは

なお怖い、と言う気持。


昨年感じていたことは、従来のうつ病勤労者一番の敵は現代型「うつ」。

現代型「うつ」の方があまりに奔放にやり、周囲が非常に困っている為、

同じ「うつ」の病名がつく従来のうつ病の方まで同じように見られてしまう。

現代型「うつ」の為、これまで築いてきた従来のうつ病の方への支援

システムまでがなくなりかねない、でした。


ところが、今年はさらに状況が変わることでしょう。

景気悪化の為に、普通に真面目に働いている勤労者が解雇される

時代に入ります。その時、休職中の方々はどうなるのか?

もし現代型「うつ」を理由に休職し、傷病手当金や互助会の見舞金を

もらい、そして海外旅行や温泉旅行を堪能し、現代型「うつ」ライフを

楽しんでいる輩はどうなるのか。


現代型「うつ」が従来のうつ病患者を苦しめ、職場の同僚を苦しめ、

ついには会社を追い詰める。


今年は、企業も社会も何らかの決断を迫られることになりそうです。

でも上記の女性のように、法律職の支援で、さらに巧妙なケースも

出てきています。(法律の専門家が絡んでいるのが今を象徴しています)


「角を矯めて牛を殺す」


そんなことがないよう、今日のワークショップロブは法律と精神科医の双方の

観点から現代型「うつ」への対処法を考えます。

おかげさまで満員御礼です。









最近、来春に向けての新入社員研修の企画、採用活動の企画、新任管理職研修の企画、職域領域のプロフェッショナル育成の企画を行っています。その上、学生の教育にも何らかの形で関われそうです。

その合間を縫うように、週に何日かは忘年会。そこでまた企業での新しい動きを聞き、研修の企画に反映させていきます。やはり現場のニーズが第一。現場を知ること、それが本質につながるものと思います。

来週になるともう完全に年末年始モード。今年は9連休の上、休み明けすぐ地方出張が入っており、ずっとお休みが続くような気分です。

あと2週間、ストレスのことを考えていきます。







最近、非常に基本的なことであるが「働くこと」は何なのか考える機会が増えてきました。


私自身は、「働くこと」は、「今の社会に対し付加価値を生み出すこと」と考えています。

この付加価値の創出があることにより、現在の社会は存在し、企業が存在しうるのです。誰かが働かなければその社会は原始化し、自然に戻ってしまう。

日本国憲法を読んでみると、勤労の権利と義務は27条に定められていますが、それ以上に11条・12条の方が私が考える「働くこと」の意味に近いかもしれません。


11条 国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与へられる。


第12条 この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない。又、国民は、これを濫用してはならないのであつて、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ。

第27条 すべて国民は、勤労の権利を有し、義務を負ふ。

 賃金、就業時間、休息その他の勤労条件に関する基準は、法律でこれを定める。
 児童は、これを酷使してはならない。

メディアや学者は、現代社会の問題として、若い人の「働くこと」、「勤労観」が変わってきたこと、はっきりと確立されていないことを指摘します。しかし私はこの点は違っていると考えます。「働くこと」「勤労観」が不明確なのは、私達「大人」なのです。場合によっては企業で人事部にいらっしゃる方も、管理職に就いている方も、不明確なのではないかと思います。人それぞれの考えがあってもいい。でも現代社会もしくは企業を維持・形成する大きな柱は「働く」ということなのです。どのような理由から「働いている」かは問いません。最終的に「働く」ことを共有できる場所。それが現代社会、その典型事例として企業ではないでしょうか。

私は若い頃、西サモアという国で仕事をしていました。南太平洋の楽園、彼等は生きるというだけでしたら、働く必要はありません。主食のバナナもパンの実も椰子の実も島内にいくらでも自生しています。住まいは簡単な柱4本とバナナの葉っぱでOK。地勢学的に非常に重要な位置にありますので、欧米諸国、日本そして中国がいくらでもODA等の援助してくれます。そのせいか、私が従事した空港ターミナルビル建設工事は1年間の工期で請け負いましたが、現地では絶対5年はかかると言われていました。当然、予定通り1年で完成しました。最後の4ヶ月は休みゼロ、最後の最後の2週間は24時間体制となり、私も20時間は現場におりましたが。

そんな彼等でも、夕方1杯のビールを飲む為、サンダルを買う為、肌を隠すシャツを買う為に働きます。また衛生的な生活をする為に一生懸命庭の草刈をします。国民の9割以上がキリスト教徒のせいか、教会を建て、自己の容貌に似たマリア様の像を手に入れる為に働きます。その当時、西サモアは世界でも最貧国のひとつでした。そこに暮す人達の中には、非常にしっかりとした人生観を持ち、しっかり契約を履行し、人々を鼓舞し、皆の相談役になるすばらしいマタイ(酋長)もいらっしゃったのです。

どこの大学を出た、どこの会社に入ったということより、真正面から働くことと向き合ったことがあるかの方が重要なような気がしています。

あなたにとって「働くこと」は何でしょうか?



12月5日から開かれた日本産業ストレス学会で、韓国産業ストレス学会前理事長の延世大学医学部Sei Jin Chang先生が、非常に興味深いご講演をされました。


韓国でも勤労者の職業性のストレスが大きな問題になりつつあり、メディア等を通じて社会でも認識されつつある。勤労者層の心疾患、脳疾患、自殺が身近な課題になっているものの、どうしても個人に原因を求めたり、問題を帰着させがちであった。ようやく最近組織や職場で対応していくという動きが見られるようになってきた。今後は日本や中国と協力して研究ならびにお互いの情報交換・共有を深め、職場レベルでの職業性ストレス対策を確立していく必要がある。

という趣旨のご発表でした。


韓国は日本以上の経済危機に立たされています。輸出の減退や、国内の金融機能が破綻しかねない状況、そして著しいウォン安のお陰で、財閥系大企業まで経営的に苦しい状況にある、とメディアで報道されています。


ここで、上記のSei先生のご講演の内容に戻ってみると、

経済危機等、勤労者を取り巻く環境変化は、日本の比ではないのは言うまでもありません。しかしそこでもう一歩踏み込んで考えてみます。日本ではストレス耐性という個人的な点にその原因のひとつを求める専門家をよく見ます。韓国でもストレスは職場ではなく、個人の問題だとする傾向が日本より強い、というのがおもしろいところです。韓国は一度はIMFによる支援を受け、国家の金融機能は破談し、経済は大混乱に陥りました。それから10年も経っていません。非常に厳しい現実を見てきた、もしくは経験してきた韓国の勤労者がストレス耐性が低い?次が本当に言いたい点です。韓国の勤労者のほとんどは徴兵制により軍隊を経験しています。あの一番過酷で一番精神的に鍛えられるとされる世界を経てきた人達がなぜストレス耐性が弱いのか?

ここに論理的な矛盾があることをお分かりになっていただけると思います。もしかしたら軍隊経験というものが実はビジネスの世界でのストレス耐性の醸成にはほとんど寄与していないのではないか?

ということです。何度も繰り返しになりますが、今回の世界的な経済危機の影響は日本より韓国の方が深刻です。だから降りかかってくるプレッシャーの度合いが違うのだろう、という議論もあっていいはず。しかし韓国人がストレスの原因を個人に求めているということは脆弱性を持つ人がいる、ということにつながってくるのではないdしょうか。つまり我々日本人と一緒なのです。韓国はじめ徴兵制のある国の友人達からは同じ話を聞きます。「軍隊経験は自分にとって暗黒でしかなかった。」


若者の精神をたたき直す為に、日本に徴兵制を!とおっしゃる方。まずその効果を確認する為に、自分自身がどこかの軍隊に入ってしっかりと経験を積んでみて下さい。(自衛隊は優しい人達ばかりでしょう。自衛隊は「軍隊」ではない!と国も言っていますから。)


それよりはビジネス現場での厳しい経験を経て能力を高めていく方がはるかに効果があるような気がします。だからSei先生も全く軍隊のことには触れていらっしゃらないのでしょう。


ストレス対策や国のあり方について、非常に深い示唆をいただいたSei先生に感謝します。





昨日、ストックホルム大学で恒例の本年度ノーベル賞受賞者による記念講演会が開かれた旨、ニュースで紹介されていました。益川先生のたったひとフレーズの英語でのスピーチ、黒川先生のクラゲから抽出した発光物質を実際に発光させるなど日本人にとって話題満載でした。


私も2001年はストックホルムに滞在しており、それもストックホルム大学の隣りの学生村に住んでいましたので、見に行ったことを思い出します。ちょうど野依先生が受賞。経済学賞にはステグリッツ教授と私のような者にも興味を持って聴くことができました。


この講演会で気がついたこと。いずれの受賞者も、スピーチのどこかで私のメンターは誰それで・・・とおっしゃることです。ここでのメンターとは、自分を導いてくれた人生の師を指しているようです。ノーベル賞を取るような方にはメンタリングプログラムが付いている、というよりご自身自ら、人生の師となるような方を見出しているのだと思います。そんな方だからこそ、このような晴れの場で、その方への感謝の気持を忘れない。


私にはまだまだ到底できません。ぜひ見習わなければ。


明日はノーベル賞受賞式と晩餐会です。

スウェーデンのノーベル賞のサイトでは、受賞者の記念講演の内容や、そのライブ映像、今年の晩餐会のメニューも公開されるようです。メニューは当日の夕方までは秘密とのこと。明日のお楽しみですね。

晩餐会で使われるフォークやナイフ、スプーンは日本製とのこと。

晩餐会で出されたメニューは、ストックホルム市庁舎横のレストランで、ノーベルディナーとして何方でもそのままのレシピで食べることができます。それもシャンパン、ワイン付き。(ちょっと高いですが)

今年のメニューがアップされたら、ここでも紹介します。

ノーベル賞公式ホームページ

http://nobelprize.org/index.html



12月4日付けの日経新聞24面、25面の見開きで、「仕事とメンタルヘルス」という広告特集があったことは皆様お気づきのことと思います。

私にとって、この記事にはいくつかのポイントがありました。


(1)うつ病に関する具体的な数値が明記されていること

  例えば、

   ・うつ病の回復率は30~40%であること(残りの人は治らない?前田註)

   ・うつ病と診断される人の業務パフォーマンスは50%程度。

   ・睡眠障害によるわが国の損失は年間3兆5千億円にのぼる。

   ・うつ病で入院した患者のうち15%は自殺する。


(2)厚生労働省は今後、衛生委員会を重視していること

衛生委員会の形骸化は著しく、また衛生委員会について書かれる記事や冊子も法律に則ったものばかりで非常に無機質なものばかりだったにも関わらず、厚生労働省はしっかりとその本質的な意義を認めており、それを実効的に展開しようとしている。


(3)意外と企業の産業保健スタッフや新聞記者が現状を知らないこと

一部の先生の話が一昔前の話に聞こえる。 私が様々な企業から話を聞く限り、

  ・現代型「うつ」病対策に悩まされている企業が非常に増えてきていること

  ・リハビリ出勤が様々な弊害を生みつつあること

が現実である。まだ一度も実施していないリハビリ復職制度を、さも有効なように述べている点にもただ制度さえ作れば、という姿勢のように映ってしまうのである。大見出しのつけ方が文中のコメントとずれているところもあり、記者の考え方がそのまま反映されたようにも感じる。


残念なことは、一切現在の世界の経済状況を踏まえた議論が掲載されていないことです。(全く為されなかったのか、それとも記者が割愛したかわかりません)

企業は100年に一度の未曾有の環境に置かれているのに、資金や時間、そして心のゆとりもないのに、建前論をぶち、その上、自らは現場の様子も掴んでいない一部の先生方の意見には、経営者のみならず、勤労者からもソッポを向かれかねないような気がします。

企業はこれまでの博愛的なCSRから、選択的なCSRに移らざるおえない状況です。あまりに世の中の様子に配慮しない建前論は、せっかくここまで進んできた風潮に水を差しかねません。


内容がタイムリーな故に、この世界の実情まで曝露してしまった記事でした。


日経新聞記事 

http://www.nikkei.co.jp/ps/mh/

今日は朝早くから浜松に行ってきました。

東海地方は雲ひとつない快晴。浜松からも山頂がちょっと雪に覆われた富士山が見えました。

私の富士山の思い出。20年以上前、最初の海外駐在先、サモアから本社に帰任する際、飛行機の窓から富士山が見えた時、あ~、日本に帰ってきたんだ、と思わず声に出てしまうほど感動したことが一番。


さて自分の心の支えを持つこと、これはストレス対策でも非常に重要なことと思います。私のような鹿児島出身者には桜島がそうかもしれません。親父、お袋だけでなく、西郷さんも大久保さんも、尚五郎さんも、於一さんも、同じ櫻島を見て育ち大きくなった、自分も同じだ、という思いが私の支えになっているような気がします。


東京での生活が30年になると、桜島より富士山の方が身近な存在です。冬の朝には車窓の外に優雅な姿。そんな時、西郷さんも富士山を眺めながら、江戸へと向かったんだなあと思ってしまうのは、まだ鹿児島の血が体を流れている証しでしょうか。「篤姫」の見すぎかもしれません。

今週末はついに江戸攻め。

血が騒ぎます。


昨日、ある雑誌から、日本EAP協会の役員として、わが国のEAPの現状について取材を受けました。

かなり「うつ病」について勉強されているライターの方で、本当に求められているEAPは何なのか、その方のご意見を聞きたくなるほど、しっかりとした見識をお持ちなのではと感じました。


ここから先は、EAP協会の役員としてではなく、EAPに携わる一個人としてお話します。

以前から、EAPをカウンセラーの派遣業的、もしくは取りまとめ役的な事業と考えて新規参入される人達が多いように思っていました。会社は経営者の考え方が如実に反映します。いくら美辞麗句を並べても、単に「お金」だけしか頭になかったり、「カウンセリングこそ最高!」と信じ込んでいたりする人が多いような気がしています。

EAPは米国発祥のビジネスモデルですが、日本に入ってきて、かなり歪曲されていると考えています。日本の法律や産業保健の体系を考慮せず、「米国発だからいいものなんだ」という発想はいろいろな面で歪みを起こしています。私は何回か米国の国際EAP協会の年次総会に出席し、その前に開かれる数日間に渡るEAP特別教育プログラムにも参加してきました。米国のEAPの間で議論されていることと、日本で一部の人が「これがEAPですよ」と言っているものの間に、いろいろと違いがあるようです。

これらの点も時々皆さんにお伝えしていこうと思います。


ご取材いただいたライターの方には、本当に感謝しています。すばらしい記事となりますよう、期待しています。


先日、NHKの朝ドラ「だんだん」について書きましたが、この「だんだん」の中で、時々弊社の社名と同じ「LOV」と書いたポスターが映っています。石橋君のオフィスのシーンです。石橋君の後ろや部長である円ひろしの席の後ろにも貼ってあります。私がLOVという社名をつけたのは、スウェーデン語でVacationの意だから、と意外とロブもしくはLOVという言葉が日本で使われていないから。


だんだんの時代設定は今のところ、2001年8月です。ちょうど私がストックホルムに留学しようとしている時ですね。何か「えにしの糸」を感じます。

本日の日本経済新聞の一面に広告が出ましたので、ご案内です。

「組織を守るストレスワクチン」は、大手の書店では、人事や労務管理のコーナーに置いてあります。首都圏以外でも「本屋で見かけたよ」「本屋で買ったよ」といった御連絡をいただいています。新宿の紀伊国屋やジュンク堂、高田馬場の芳林堂、神田の啓文堂では割と目立つところにありました。

皆さん一度手に取っていただければ幸いです。