減量中でもたんぱく質の摂取量は減らしたくないので、摂取カロリーを減らすには脂質か炭水化物(あるいは両方)を減らす事になるというような事を前回は書きました。
では脂質を減らすべき(ローファット)か、炭水化物を減らすべき(ローカーボ)か?

これについては昔から論争が絶えませんが、今なお決着はついてないようです。

というより、長期的に見ればどちらも効果に大差ないというのが正しいみたいですね。

ただし長期的に見れば大差なくても、短期間での減量という点に関しては炭水化物の摂取量を減らす方が効果は大きいです。

炭水化物の摂取量が減ると体の保水力が低下し、筋肉がしぼんだような状態になります。

結果的に体重は落ちても体脂肪率は変わらなかったり、逆に体脂肪率が増える事もあります。

体脂肪率というのは(体脂肪量)÷(体重)のパーセンテージなので、体脂肪の量が減っても水分量やその他の量が減れば数字の上では一見矛盾するような結果になったりもします。

いわゆる「隠れ肥満」というのもこれに近い状態で、健康上の理由やリバウンドのしやすさからもあまり勧められなかったりしますが、人によってはこの方法が必要な場合もあります。

例えば病院で医師から体重を減らすように言われた場合、その理由が過体重により腰や膝の関節に負担をかけているという外科的疾患による場合があります。

この場合は一時的に体脂肪率を無視してでも体重そのものを減らさないと、その後の運動療法の実施すら困難なのかもしれません。

他に特殊な例として、わざとリバウンドするのを利用して試合前日の軽量時に規定ギリギリの体重まで減量しておいて、試合までの数時間で筋量とスタミナを取り戻すという方法も格闘技などでは一般的に行われるそうです。

どちらにしても、即効性はあるものの一時的な手段と考えた方が良いかと思います。

実際に医師からの減量の指示も、単に外科的な理由からだけでなく内科的疾患が理由な場合もあります。

高脂血症や高コレステロールのような内科的疾患の場合には、体重そのものよりも体脂肪の減少が本来の目的だったりします。

この「減量が必要な理由」について、病院で詳しく説明してなかったり、説明はしても患者本人が聞き流して、とにかく減量しなきゃ!とだけ考えて無理なダイエットにのめり込む人もいます。

健康の事を考えるなら、自分の体調に合わせてローファットとローカーボとを交互に繰り返しながら、徐々に栄養バランスの取れた食事へと近づけて行くのが一番かと思います。

このローファットとローカーボとを変えるタイミングはダイエットにおける停滞期が適していますが、一日の食事の中で超ローファットと超ローカーボとを繰り返す方法もあります。

脂質と炭水化物(糖質)は同時に摂取した時が一番体脂肪として蓄えられやすいので、これを避けるために極端に脂質を減らした食事と極端に炭水化物を減らした食事とを時間をずらして摂取する方法です。

この方法の利点は精神的な負担が少ない事と、自炊の場合に食材を有効利用しやすいという事です。

逆に外食メインの人には少しやりにくい方法かもしれませんね。

ダイエットの方法はいくつもありますが、結局は人によってあるいはその場その時の条件によって最適な方法は変わってくるので、流行りの方法に安易に飛びつくよりは自分の体調と相談しながら長い目で見る事をお勧めします。