結城紬① | オンラインショップ 着物ひととき きものライフブログ

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結城紬

結城紬とは、茨城県結城市周辺と、隣接する栃木県小山おやま市、下野しもつけ市などで生産される絹織物です。


昭和52年(1977年)には国の伝統的工芸品の指定を受け、そして平成22年(2010年)には記録に残る最古の絹織物として「結城紬」はユネスコ(国際連合教育科学文化機関)の無形文化遺産に登録されました。

◆本場結城紬と認められた反物には、「結」のマークの入った証紙が付いています。

結マークは、本場結城紬卸商協同組合が発行しています。

「茨城県本場結城紬織物協同組合」と「栃木県本場結城紬織物協同組合」に加盟した業者の反物のうち、本場結城紬検査共同組合の検査に合格したことを証明する「合格証」を発行されたものだけが結マークの証紙を付けることができます。

結マークの証紙が付いた反物は量産が難しいため、値段も高く、希少価値があるのです。

なお、合格証には

①地機で平織り
②地機で縮織り
③高機で平織り
④高機で縮織り

の4種類があります。

一般的には「高織」のほうが値段が安く、市場にも多く流通します。

◆「紬」のマークの証紙が付いた結城紬の反物があります。

これは工程の一部を機械化することでコストを下げたり、生産数を増やしたりしている織元の結城紬です。

こちらも本場結城紬と同じく真綿から紡いだ糸を使用しているので、柔らかな風合いはそのままに楽しむことができます。

結城紬は糸に糊を付けて織るので、最初は少し堅く感じます。

しかし、真綿から取った糸で織りあげた生地は軽く、着るほどに体に馴染んでいきます。

馴染んだ結城紬は柔らかく、ふっくらとした肌触りで、しかも皺になりにくい!


無地よりも縞、縞よりも絣、さらに織柄の模様は細かいほど高価になります。

※1 十字絣:細く、白くかすったように染め残した糸を交差させて織ることで、十字の模様にしたもの。
※2 亀甲絣:亀の甲羅を表した六角形の模様を連ねるもの。

◆布を織る際の経糸 (たていと) と緯糸 (よこいと) の両方に手つむぎの絹糸を使うのは、世界でも本場結城紬のみ。繭の特性を最大限に活かすための方法で織り上げられるからこそ、繭本来の心地よい感触と丈夫さが生まれるのだ。

◆それぞれを専門職が行う分業制で、製作工程の全てを手作業で行う。30以上ある工程のうち、特に注目すべきは「糸紡ぎ」「絣くくり」「地機 (じばた) 織り」の3つ。この3工程は、国の重要無形文化財にも指定されている。

風合いを下支えする独特の紬糸を作る糸紡ぎは、「つくし」と呼ばれる棒状の道具に真綿を巻きつけて行われる。真綿の端を指先でひねりながら糸を引き出し、ふわりとした質感が残るように撚りをかけず、唾液を使ってまとめていく。


染色前に墨で印を付けた部分だけを綿糸で縛り、染料が染みこまないようにする技法を「絣くくり」と呼ぶ。精巧な模様になると、半年以上の時間を要するものもある。


ようやく支度が整った紬糸は、「地機織り」という技法で織られる。経糸の端を織り手の腰に巻きつけて織る地機は、結城紬の工房では「いざり機 (ばた) 」とよばれる。

紬糸は糊をつけて固めてあるものの、撚りがないため切れやすく、また紡ぐ人によって癖も異なるため微妙な調整が重要となる。そのため、自分の体で経糸の張りや力加減を調整できる地機が用いられるのだ。

◆見分け方
経糸、緯糸の両方に節糸が入っていない
世の中の紬と名がつくものは緯糸(よこいと)だけに紬糸をつかうものがほとんどです。緯糸(よこいと)(紬糸)を通す際に経糸(たていと)がザラザラとした紬糸だと織りにくく、経糸には抵抗の少ない平滑な絹糸が使われます。本場結城紬は経糸、緯糸ともに100%紬糸を使いますので、一方方向にのみ節が見られる織物は別の紬織物です。