【質問】
独自のIT技術でベンチャー企業の設立を考えています。
IT技術を特許で守る必要があるでしょうか?
(これはある方から質問があったものです)
【回答】
他社による模倣を防いで市場の独占を可能とし、利益の最大化を図るため
独自のIT技術を特許で守ることをお勧めします。
<裁判例>
2019年9月4日に東京地裁は
従業員110名のITベンチャーの株式会社コムスクエアが自社が開発した
プログラムの特許権を侵害されたとして、東証1部上場のITサービス業の
TIS株式会社に使用の差し止めと約2億8950万円の賠償を命じました。
(東京地裁平成28年(ワ)第16912号特許権侵害差止等請求事件)
コムスクエアの特許製品のコールトラッカーは、どの広告からの電話かを
24時間×365日の体制で可視化するというものです。
IT系ベンチャー企業でも特許で大企業を相手に戦えるということですね!
<事例紹介>
特許権侵害警告が契機となってIT技術を特許で守る
重要性を認識した企業の事例を紹介します。
この企業は従業員2名の株式会社ネクストシステム・コンサルティングです。
(詳細は特許庁の知財総合支援窓口の支援事例)
スマートフォンやタブレット端末を利用し、
お客様が自ら注文できる飲食店向けオーダーシステム
を特許出願せずに実用化していました。
ある日第三者から特許権侵害警告を受け、
特許庁の知財総合支援窓口に相談したところ
侵害に該当しないとの結論となり、
事なきを得たそうです。
これが知財意識を高める契機となり、
その後、新たにAI 技術を用いて開発した
飲食店向け顧客対応支援システムについては
特許出願を行って権利化を図っているところです。
特許はビジネスの保険の意味があります。
安心してビジネスをするためにも
独自の技術は特許で守っておきたいものですね。
この辺のことは下記の書籍に書いてありますので、
参考にしてみてください。
※追伸
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