特許前でもライセンス契約して成功した事例 | 知財を活用した「知財ポジショニング戦略」 徹底解説!

知財を活用した「知財ポジショニング戦略」 徹底解説!

仕組みやモノのアイデア権利化コンサルタント・弁理士 遠藤 和光

通常は特許後にライセンス契約しますが、平成20年法改正により

特許前でも特許庁に登録することにより第三者に対抗できるライセンス契約が

認められるようになりました。(平成2141日より施行)

 

 

さらに、平成23年法改正により通常実施権の当然対抗制度が導入され、

仮通常実施権及び通常実施権の登録が不要になりました。

平成2442日より施行)

 

 

これによりライセンス契約を競合他社に知られないようにすることができます。

なお、仮専用実施権及び専用実施権については登録が必要です。

 

 

当然対抗制度は、通常実施権(仮も含む。)の許諾を受けた者は、

特許庁への通常実施権の登録を必要とせずに、特許権を譲り受けた者

からの差止請求等に対抗できるというものです。

 

 

特許前でも出願が公開されますと、出願公開に基づく補償金請求権が発生し、

警告後特許されるまでの間の第三者の実施に対し、実施料相当額の損害賠償金

を請求できますので、出願公開後にライセンス契約するのがベストタイミング

となります。

 

 

出願は通常は出願から1年6ヶ月後に公開されますが、申請により早期に公開

することができます。特許前にライセンス契約する場合は、早期公開請求

するのがいいですね。また、早期審査請求をすれば早期に特許化できます。

 

 

 

特許前にライセンス契約して成功した事例を紹介します。

【特許番号】特許6103896

【発明の名称】情報提供装置、情報出力装置、および

       情報出力装置の制御プログラム

【登録日】平成29310(2017.3.10)

【出願日】平成241122(2012.11.22)

【公開日】平成2669(2014.6.9)

【権利者】株式会社アイリッジ

【特許の概要】

本特許は位置情報連動型O2O(Online to Offline)サービス

に関するもので、3つの領域(出願時は2つ)ごとに異なる情報を生成する

という基本的な権利が取れています。

(O2Oはスマホから実店舗に誘導するという意味です。)

 

具体的には、屋外や広い範囲のユーザーに向けてはGPS連動で告知・集客し、

店舗に入ったタイミングでWi-Fiにて施設内の詳細情報・ クーポンを配信して

購買を促進するというものです。株式会社アイリッジホームページ

 

 

 

現在ホームページで導入実績として紹介されている企業は

以下の30社です(2019.6.19現在)。

(注)三菱東京UFJ銀行は現在三菱UFJ銀行に変更になっています。

 

 

 

特許前の段階でホームページで導入実績として紹介されていた企業は

25社もありました(2017.1.15現在)。

25社のうち14社が現在も掲載されています。

 

 

特許前の出願公開後の段階で多くの企業とライセンス契約できた理由は、

いくつかあると思いますが、特許の対象がO2Oサービスのプラットフォーム

なり得るものであることと、有力な企業と連携して新たなサービスを提供する

プレスリリースがあったからではないでしょうか。

 

 

 

以下はそのプレスリリースの内容です。

”2013.09.27 | プレスリリース

アイリッジNTTデータナビプラス3社が連携し、

次世代型O2Oソリューション 「レコメンドプッシュTM」を提供開始

 

アイリッジ、NTTデータ、ナビプラスの3社が連携し、次世代型O2O

ソリューション 「レコメンドプッシュTM」の提供を開始いたします。

これにより、スマートフォンユーザーへ最適化されたおすすめ情報の

プッシュ配信が可能になります。”

 

 

上記プレスリリースの内容が以下の新聞に掲載されました。

2013.09.30:日経産業新聞

2013.10.01:日刊工業新聞

2013.10.07:日本情報産業新聞

 

 

れらによって新たなサービスが周知され、特許前にも拘らず多くの企業と

ライセンス契約できたものと推察します。

 

 

 

 

 

※追伸

◆アイデアで起業を考えている方、
アイデアを形にしたい方、
発明力を付けたい方、

「ビジネス特許徹底ガイド」
をお勧めします。今なら無料です!
  ダウンロード
はこちら
      ↓↓↓↓