ライザップの知財ポジショニング戦略とは? | 知財を活用した「知財ポジショニング戦略」 徹底解説!

知財を活用した「知財ポジショニング戦略」 徹底解説!

仕組みやモノのアイデア権利化コンサルタント・弁理士 遠藤 和光

ライザップのビフォー、アフターのテレビCMは分かりやすいですね!

 

下の画像は松村さんのものです。

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RIZAP」の名前の由来

RISE+UP=RIZAP

どん底の状態からでも、その人が望む限り、

必ず高く飛躍できる” だそうです。

(RIZAPグループホームページより)

 

 

ライザップの創立者の瀬戸健(せとたけし)さんは、

化粧品、美容機器、健康食品、ダイエット食品の販売などを行う

健康コーポレーション株式会社を2003年4月に設立した当初は、

商品は全く売れず、900万円の資本金はすぐに底を突き、

預金残高は一時13万円にまで落ち込み、

家賃が払えなくなり、夫人の実家に住み込み、

生活費が1ヶ月1万円の時代があったそうなんですね。

 

しかし、サプリメントを買った顧客にプレゼントしていた豆乳クッキーが評判となって

豆乳クッキーダイエット」と称してPRを行った結果、ブームに火が点き、

売上高は一気に100億円近くにまで伸長し、

2006年には札幌証券取引所アンビシャスへの上場も果たして

大逆転を果たしました。

経済界:瀬戸健・健康コーポレーション社長インタビュー

「ライザップは、正しいことを“やりきる”メンタルに価値を置く」2015年8月27日

を参考)

 

 

ライザップの名前の由来

地獄から天国へと大逆転を果たした瀬戸社長の心境

を表わしているように思います。

 

 

 

 

テレビCMで有名になったRIZAPの

知財ポジショニング戦略ってどうなんているんでしょう?

 

 


知財ポジショニング戦略とは、

独自のポジションを特許や商標などの知財で守ることです。

これにより他社の同じポジションへの参入障壁ができますので、

例えば高くても売れる商品やサービスとなり高収益が期待できます。

 

 

 

<ライザップのポジショニングマップ>

ライザップのポジションを調べてみました。

 

 

横軸を価格、縦軸を食事制限としました。

価格が高めで食事制限が厳しいという

独自のポジションを築けていることが分かります。

 

 

 

<ライザップのポジションを守る商標>

テレビCMでお馴染みのキャッチフレーズを商標登録しています。

 

登録商標「結果にコミットする。」登録第5878027号)

【登録日】平成28年9月2日

【出願日】平成27年12月29日

【商品及び役務の区分の数】11

【商標権者】RIZAPグループ株式会社

 

本来は教室ビジネスに関する第41類

技芸・スポーツ又は知識の教授だけでいいはずですが、

合計11個の区分を指定しています。

将来のビジネスを考慮しているのかもしれません。

 

指定した商品と役務の区分及び指定商品又は指定役務は

以下のとおりです。

第3類  化粧品,つけづめ,つけまつ毛等

第5類  サプリメント,食餌療法用飲料等

第10類  業務用美容マッサージ器,家庭用電気マッサージ器等

第11類  家庭用電熱用品類,家庭用浄水器等

第25類  被服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴等

第29類  食用油脂,乳製品,食肉等

第32類  ビール,清涼飲料,果実飲料等

第35類  広告業,ホテルの事業の管理,商品の販売に関する情報の提供等

第41類 技芸・スポーツ又は知識の教授,書籍の制作,映画の上映・制作又は配給等

第43類  宿泊施設の提供,飲食物の提供,会議室の貸与等

第44類  美容,理容,健康診断等

 

 

その他にも文字商標「RIZAP」(登録5501267等)、

  文字商標「ライザップ」(登録5893372)  

ロゴの商標(登録5791651等)

が登録されています。

 

上記商標の中でも「結果にコミットする。」が光ってますね!

最後の句点は不要のように思いますが、

あった方が締まるでしょうか。

 

 

 

<ライザップのポジションを守る特許>

まだ、権利化されていない出願中の段階ですが、特許出願を1件しています。

 

【公開番号】特開2017-10486

【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法、および、情報処理プログラム

【出願日】平成27年6月26日

【出願人】RIZAP株式会社

 

【解決手段】かっこは実施例の内容を追加したものです。

顧客データ(身長、体重等)と、

顧客(顧客端末100)から指導者(指導者端末400)への

報告データ(食事内容、トレーニング内容等)と、

指導者(指導者端末400)から顧客(顧客端末100)への

指導データ(食事、トレーニングに対するアドバイス等)と

の履歴を含む統計データを(サーバ200に)蓄積し、

新規顧客に関する顧客データに基づいて、

統計データ蓄積手段(サーバ200)を参照して、

指導データに基づく当該新規顧客への適切な指導候補

又は顧客データの履歴に基づく将来予想に関する出力データ(体重の予想等)を生成し、

出力データを出力する。

(顧客端末100と指導者端末400との間でデータを送受信して

統計データをサーバ200に蓄積しています。)

 

 

 

 

発明を要約しますと、

統計データを参照して新規顧客に対応した指導方法を出力したり、

将来の体重等の予測データを出力するというものです。

ジム業界用の発明ですね。

 

 

 

以上のようにライザップの独自のポジション商標特許で守られていますが、

特に商標「結果にコミットする。」のキャッチフレーズはジム業界だけでなく、

最近ライザップが展開しているゴルフ教室、英会話教室などにも使えるため、

商品商標やサービス商標のように単品の商品やサービスとは異なり

包括的に使えますので強力な商標になっていると思います。

 

 

 

これがライザップ知財ポジショニング戦略です。

素晴らしいですね!

 

 

 

 

 

※追伸

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