カラージャーナリスト/色の取扱説明書(70) より良いパーソナルカラー診断のために | カラーの本音、カラーの本当、色彩男組

カラーの本音、カラーの本当、色彩男組

男性カラーリストkazuworksが、カラーデザイン、色彩学、パーソナルカラー、色彩心理、デザイン、景観色彩、ユニバーサルデザイン、と言った色に関わる事についてブログを書いています。

 

カラージャーナリスト/色の取扱説明書(70)

より良いパーソナルカラー診断のためのイルドクルールの取り組み

 

 

イルドクルールのパーソナルカラー診断自体が、

「ていねいなカラー診断で嬉しかった」

「カラー診断できちんと対応してもらえて良かった」

「カラー診断を慎重にひとつひとつ進めてもらえた」

「なぜその色がベターなのか理路整然と示してくれた」

と、ありがたいことにお客様から直接に、また間接的にご評価いただくことが多いものです。

その多くのお客様がおっしゃる、

ていねいで、基本通りで、慎重で、わかりやすく、

そして、しっかり時間をかけてお客様一人一人と向き合う姿勢は、そのままイルドクルールのカラーのコンサルの指針であり柱でもあります。

 

加えて、九州山口では他に導入例が無い、※「色が正しく見える」国内外最高品質の演色評価指数Ra99AAA非LED色評価用照明を必ずカラー診断に使うところも、イルドクルールが基本通りに、手数や物理的なことを妥協することなく、お客様に誠心誠意で相対していることも、すべてカラーのコンサルタントとしてごく基本的に当たり前のことを提供していると考えています。
※「色が正しく見える」最高数値Ra99AAAは国内外最高数値です/NPO色ヒトこころ2023年11月調べ

 

 

「イルドクルールの基本に忠実なパーソナルカラー診断の流れ」

(最初に簡単激短診断について)
近年は、クイック診断やスピード診断と、あたかも速さを競うような簡単なカラー診断が増えました。
中には、スピードカラー診断資格/簡易診断士のような「資格のようなもの」を配布する業者も。
ただ、当然、速さを掲げるカラー診断に精度は存在しませんし、診断結果もあてになりません。
その理由は、メイクを取らないからです(当然カラコンもそのままと聞きます)。
メイクを取らない以上、カラー診断は成立しませんので、速さは最初から必要ないということです。

イルドクルールのパーソナルカラー診断の流れ

まず、カラー診断はカウンセリングに等しい性格のもの。
初対面のお客様ですので、ご挨拶しお名刺お渡し後、カラー診断の前段階のヒアリングはとても需要、普段お困りのことから、お好きな色や普段のファッション傾向もお伺いし情報を集めます。
(ヒアリングの内容は割愛しますが、時間的にも5〜10分はかかりますが、医療の場合と同じです)

次に、お客様の個性の情報の把握と分析に進みます。
イルドクルールでは、このプロセスで、お肌の色の傾向も告知しますので、診断以降のお選びになるファンデーションの色の参考にしてください。
ここでは、お客様の目や髪や肌の色や質感や特性の情報収集に努めますが、私たちはそれを無機質な「パーツ」と捉えず、大事なお客様の個性の一つ一つと考え慎重に分析します。

また、ここでは、お客様の体型や骨格、お顔の形状的な個性(いわゆるお顔立ち)も勘案して参りますので、イルドクルールのカラーコンサルを受けた人が、別のサロンで顔型の診断や判定や、体型や骨格の診断や判定を、別料金で受けなおすことは全く必要ありません。
また、イルドクルールでは、体型やお顔立ちを独立したパートは考えていませんので、一面的な骨格の診断や顔型の診断と同じことはいたしません。
(イルドクルールのコンサルタントの多くが、お客様を平面的に捉えず3Dで理解するために、訓練として定期的にデッザンに取り組んでいるのは、この把握力を高めるためで、日本全国、デッザンに真剣に取り組んでいるカラーリストは他に聞きません)

 


デッサンに取り組むイルドクルール井手大基


ヒアリング、情報収集と分析を経たところで(担当によってはここまでで20分かかるケースもありますがそれはていねいで慎重であるということです)、初めてパーソナルカラーの判定に入って参ります。

「色が正しく見える」色評価用照明の前に位置していただき、色を判定する最適な照度を保ち、カラーアナリストが、まずベースの判断をいたします。
近年は、イエローベース、ブルーベース、以外にグリーンベースとか他のベースを(何か特別な意図があって)言い出す業者も出てきましたが、それは色彩調和理論を理解なさっていない、または先人の色彩調和理論を軽視なさっているからにすぎません。「グリーンベース」を持ち出すところから、すでに根本的に色彩学を理解なさっていない方々の考え方ですので、普通に理にかなわないおかしなベース理論はスルーして良い軽微なことだと考えています。

このベースの判断や判定を、まるで「仲間探し」のように、どっちに属するのか、で終始する簡単なカラー診断やカラーリストを名乗る業者、なかには「ベース診断士」というものをこさえてしまった業者もありますが、パーソナルカラーにおける「ベース」は、簡単に、どちらに属するのか、というような単純なものではありません。また、そう簡単には判断できません。
30年近くイルドクルールはプロの育成に関わっていますが、実際プロのカラーアナリストを育成する現場でも、ベースの判定がカラー診断の成否を左右し、このベースの判定ができるようになるまで多くの経験値と理解が必要で難関中の難関がベースの判定なのです。浅い視野と経験による時間だけを短縮した激短診断は、この部分でも非現実で非実用なことが明白です。

ベースの判定を経て、コンサルをさらに進化と深化させる、ソフトまたはハードの判定に進みます。
ここで、特にハードの概念が時々誤解を受けますが、ハードは、ガチガチしているとか、強固である、男性的であるというのではなく、しっかりとした深みのある個性ということでご理解いただけますと、ハードと判定された方もご納得いただけると思います。特に女性は、ハード=強い、男性的だ、と言われて違和感を持つ方も多いことでしょう。



ここでは、イルドクルールでは、「お似合いです」「こちらの色が似合う」を連発することはまずありません。「似合う論」、つまり、似合うという言葉や評価は曖昧すぎて、パーソナルカラー診断にふさわしくありません。実際にお客様にドレーピング(指標となる色布をお客様に簡易的に試着していただくこと)を行い、カラーアナリストは、「似合う」「似合わない」ではなく、その色を身につけられることで「どう見えるか」を客観的にお伝えします。

そうなると、パーソナルカラー診断には、マスト(ねばならない)は存在しないということもご理解いただけでしょう。パーソナルカラーを身につけなければならない、ではなく、even better、または、more betterな色のグループを、カラーアナリストがご提案するのです。



ただ、一色ごとに、色相ごとに、その相乗効果は異なりますので、色の集合体として、色の傾向が一目でわかりやすく理論的にまとめられているのが、4タイプ(わかりやすいので四季になぞらえて、4シーズンで解説されます)の同じような色の個性が集まったグループで提示されます。

一色ごとに相乗効果は大なり小なり変わりますので、不要にそこを追いかけた細分化カラー診断(8分割、12分割、16分割、またはそれ以上)は、私たちは採用していません。

小さく分類することは、一見、専門性を高めたり深めるように感じられますが、実際は混乱や誤解を招きます。

むしろ色ごと明度や色相や再度は異なりますのでに効果は変わりますし、それを突き詰めてクライアント/大事なお客様に提示しても難解すぎて活用も難しいでしょう。
色彩の専門用語、トーンや、明度や彩度、色の清濁を力説して細分化に力を注ぐのは、ある意味、カラーリストの自己満足と言われても仕方がない気がします。

一般の方々は、色彩の専門用語、トーンや、明度や彩度、色の清濁がさっぱりわからない方が大多数です。

プロのカラーリストは難しいものをわかりやすく伝えることが仕事です。
難しいことをさらに難解に見せ付加価値を作為的に高めるようなことはあってはなりません。

長くなりましたが、そのように、イルドクルールでは一つ一つ、お客様と確認やコンセンサスを大事にし、コミュニケーションしながらパーソナルカラー診断やコンサルを進めますので、今時の、激短、10分や15分に近いクイックカラー診断、スピードカラー診断には同意できません。

なぜなら、パーソナルカラー診断というものが、受けた方のその後の人生や生活に大きな影響力をもたらすことを知っているからです。
それも理由としては、30年近いカラーの提案や取り組みのなかで、イルドクルールでカラー診断やコンサルを受けた方々と再会するからです。

一人一人のお客様のカラー診断を受けたその後を、それを知らない、または日が浅いカラーリストの方々は知り得ないことですが、パーソナルカラー診断の重みであり責任かもしれません。


結果、イルドクルールのパーソナルカラー診断は、ていねいで、慎重で、手数や時間を省かず、基本に忠実にお一人お一人に時間をかけて提供しているのです。

今日は特に長文になりましたがご容赦ください、ありがとうございました。

あくまでも、イルドクルールの見解です。