光源のクオリティを変えて右手と左手を比べています
カラージャーナリスト/色の取扱説明書(49)
オンラインカラー診断やリモート診断はどうしてダメだったのか?
オンラインカラー診断について色々、カラーコンサルタントとして意見を述べてみます。
新型インフルエンザの流行を機に、ビジネスチャンスとばかりに、日本の各地で、
「リモートでカラー診断します」
「オンラインでカラー診断します」
「画像を送っていただければOKです」
と、かなり乱暴なカラー診断を模倣したような業者が一気に増えました。
ところが、政府も規制を緩和し、対面でカラー診断ができるようになると、
オンラインカラー診断が
「やっぱり無理なこと」
「最初からできもしないこと」
「結果が全然異なる」
と、化けの皮が剥がれてしまったのは、
一つは当該業者の専門性の低さもあったのかもしれません。
オンラインパーソナルカラー診断を行うカラーリストは、おそらくデジタルなデバイスのカラーの仕組みやシステムついてあまり熟知していらっしゃらなかった可能性が高いと考えます。
逆に、デジタルデバイスでの色の取り扱いや特性について、いろはの「い」くらいご存知であれば、かのような無謀なビジネスは台頭しなかったでしょう。
【オンラインカラー診断ができない大事な要素】
もし、以下に掲げる案件が全てクリアできても、現状ではオンラインカラー診断はできないという結論に至ります。
ただ、どうしても
「オンラインカラー診断は問題なくできている」
という方がいらっしゃったら、下記の案件をクリアできているか検証してみてください。
★クリアできてていなければならない重要なポイント★
カラーリスト側のパソコンモニターの色温度管理が適正値に行われている。
オンライン診断を受ける被験者のパソコンモニターの色温度管理が適正値に行われている。
〜当然色温度は統一する必要があります
カラーリスト側のパソコンモニターの色適正化(キャリブレーション)が直前に行われている。
オンライン診断を受ける被験者のパソコンモニターの色適正化(キャリブレーション)が直前に行われている。
OSによって色再現は異なるので…OSは異ならない方がベター、つまり同一OSが望ましい
カラーリスト側のパソコンのOSを固定している(WindowsかMac)。
オンライン診断を受ける被験者のパソコンのOSを固定している(WindowsかMac)。
可能なら同スペックのカメラで画像をやりとした方が良いので
カラーリスト側のパソコンのカメラと
オンライン診断を受ける被験者のパソコンのカメラが同スペック同基準。
ついでに言えば、同じメーカーならカラーサイエンスが同じであると期待もできます。
(SONYとSONY、CanonとCanonという感じですがパーフェクトではありません)
映像を映す、観察する場所の環境は一緒でなければ色が異なるので…
カラーリスト側の照明の色温度管理が適正値に設定されている。
オンライン診断を受ける被験者の側の照明の色温度管理が適正値に設定されている。
照度が変わると色が異なるので…
カラーリスト側の照明の照度が適正値に設定されている。
オンライン診断を受ける被験者の側の照明の照度が適正値に設定されている。
映像を映す、観察する場所の光源の色光の質は一緒でなければ色が異なるので…
カラーリスト側の照明の演色性が色判定に適切な値に設定されている。
オンライン診断を受ける被験者の照明の演色性が色判定に適切な値に設定されている。
映像を映す、背景の暗さや色にWEBカメラやカメラが自動的に露光やバランスを調整するので…
カラーリストがカラー診断時の背景の色を決める(いつも同じである必要)。
オンライン診断を受ける被験者の背景の色を事前に決めてそれを使用する。
他にも色々考えておきたい要素はありますが、
ざっと列記したいくつか、
まずはクリアできていれば、少しは可能性がありますが、
私たちカラーコンサルタントはオンラインカラー診断は精度的におすすめしません。