5月後半に、高校生活最初の9科目の中間テストが、二日間にわたって行われ、
シンジは、数学のテストで、勉強不足を思い知らされた。
(シンジの通った高校では、1学期と2学期は定期テストが2回行われており、
最初のものを中間テスト、後の方を期末テスト、と言っていた気がする・・)
問題は、ほとんど因数分解の問題だったのだが、
授業の時は、先生が説明しながら進んで行くので、分かった気になっていたのだが、
実際のテストでは、問題を解いていく手順がよく思い出せず、
制限時間内に6割くらいしか取り組めず、残りは手つかずで時間が来た。
もちろん回答が間違っているものもあり、結果は40点台だった。
小学、中学ではそんな経験はしたことが無かったので、衝撃だった。
初めて勉強のことで母に愚痴をこぼした。
母は「時間が足りなかったのは、問題を解く練習が足りなかったからじゃないの?」と、
的確な助言をくれた。
シンジはなるほどと思って、次の日、学校帰りに唐津の書店で、教科書に準拠した、
参考書(教科書の説明と練習問題が載っていた)を買って取り組むことにした。
(唐津駅近くの書店を検索してみたが、もう、その書店は無いようだ・・)
シンジが、参考書というのか、練習問題集というのか、
そういうものを使って勉強するのは初めてだった。
少しやってみると、授業がよく分かるので、頑張ってみることにした。