昨日のブログの続きです。
35歳以下や42歳以上に関してはこの論文では対象外とします。
この論文では33歳で卵子を凍結し38歳で凍結卵子を使うか、または38歳で自然妊娠をトライするかを議論解説することにしています。
どちらが早く妊娠するか、それは明白であり凍結卵子を用いる方が早くなりますが、以下に示しますがそこまでの差は無さそうです。
若い頃に凍結した卵子を使う場合、以下の様な流れ、確率になると述べています。時間としては2ヶ月から最大3ヶ月を要します。初回の移植で5割妊娠し、不成功の場合でも次の移植で大体妊娠します。つまり凍結卵子を使うと5割の方は3ヶ月以内に妊娠し、75%は4ヶ月以内に妊娠します。
その一方何も原因がない38歳の女性が自然妊娠をトライする場合、大体6割の方が半年で妊娠します。
そして自然妊娠をトライした後に凍結卵子を使い体外受精を行ったとしても何ら悪い影響はありません。
上記の様にそこまでの大きな差は無いと考えられ、それならやはり最初は自然妊娠をトライして授からない場合に凍結卵子を融解して治療に入る方が得策だと言えるのかと思います。
東京都の助成金が始まり報道され希望者が増えている中、大切なことは医療者は卵子凍結のメリットデメリットをしっかりとカウンセリングを行い、将来的に結婚した後凍結卵子を使うか、その場合いつ使うかに関して事前に説明をしアドバイスをし共通の認識を共有することが必要だと言えます。
VOL. 120 NO. 3, PT. 2 / SEPTEMBER 2023
Planned oocyte cryopreservation: to thaw or not to thaw
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