東京都の卵子凍結への助成金が開始されました。
多くの方が注目しており色々と疑問が出ていると思われます。
先月号のFertility and Sterilityに掲載された今回の論文では題名にもある通り溶かすか、溶かさないかを議論しています。
溶かす場合は体外受精での治療となり5割程度妊娠し、可能性はかなり高いものです。ただ体外受精での治療は母子共に少しリスクが増え、移植の為に通院や費用の負担が増えます。もちろん移植に際してホルモン剤の投与も必要でありそれなりの負担が生じると指摘しています。
その一方溶かさないで自然妊娠を目指す場合には時間がかかり移植よりは成功する可能性も低くなります。そうなるとどちらを選べば良いかですが、これは年齢により異なるとしています。
まずは自然妊娠をトライして(1年くらい)妊娠しない場合には卵子を溶かして治療に用いることが良いのではと述べられています。
自然妊娠を目指すことはほぼ費用がかからず、もし自然に授からなかったとしてもその後の体外受精の治療に悪い影響を及ぼすことは無いとしています。この論文の著者はあくまでまずは自然妊娠を目指すことが良いのではと考えているのかと読み取れます。
もちろんこの辺りは年齢やお子さん希望人数や費用面など様々な問題があるので一概には言えませんので個別の相談になるかと思いますし、その重要性を述べています。
VOL. 120 NO. 3, PT. 2 / SEPTEMBER 2023
Planned oocyte cryopreservation: to thaw or not to thaw