移植日に黄体ホルモンが低下していると先生から黄体ホルモンの補充をしましょうと言われ不安に感じる方がいると思います。実際に間に合うのか、成績はどうなのか調べているメタ解析の論文がありましたので紹介します。今月号の論文からです。
7個の論文を解析しており5927名の方を分析しています。
以下結果です。
移植日にP4が低くて補充した群と、P4が問題ない群での検討
継続妊娠率 オッズ比 0.98 (95% CI: 0.78, 1.24),
流産率 オッズ比 0.98 (95% CI: 0.81, 1.17).
臨床妊娠率 オッズ比 0.91 (95% CI: 0.78, 1.06),
正児出産率 オッズ比 0.92 (95% CI: 0.77, 1.09).
結論として両群において差は出ていません。つまり移植日にP4が低くて急いで黄体ホルモンを補充したとしても成績に差は出ないということになります。
この結果から言えることとして、移植日にP4が低い場合には黄体ホルモンを補充することで問題なくリカバーできるということです。
臨床で「本当に今日からの補充で大丈夫でしょうか?」と不安に思われる方が多くいますが、安心して大丈夫と言えます。
Fertility and Sterility® Vol. 119, No. 6, June 2023
Effectiveness of progesterone rescue in women presenting low circulating progesterone levels around the day of embryo transfer: a systematic review and meta-analysis