顕微授精しかしないクリニックはどうなのか? | 両角 和人(生殖医療専門医)のブログ

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生殖医療専門医の立場から不妊治療、体外受精、腹腔鏡手術について説明します。また最新の生殖医療の話題や情報を、文献を元に提供します。銀座のレストランやハワイ情報も書いてます。

私の通っているクリニックは自然周期しかしておらずかつ顕微授精しかしません。夫の精子の所見はかなり良く以前自然妊娠したことも2回あります。ただ院長の方針で全員が顕微授精だとのことです。その方が確実に受精するしあえてふりかけを選ぶ必要はないとのことです。どうして院長は顕微授精しかしないのでしょうか?またそれに対してどう思われるでしょうか?

 

この様なご質問がありましたのでお答えします。

 

男性因子がなければ(精液所見が悪くなければ)ふりかけを選ぶ方が成績が高くなるというのが現時点での正しい治療方法です。

以下の動画の開始5分くらいの箇所で説明しています。

 

どうして院長先生が顕微授精しかしないかは私にはわかりません。聞きにくいかもしれませんが大切なことなので理由を聞いてみると良いかと思います。

顕微授精は男性因子がある場合、または受精障害がある場合、この二つ以外は効果なしとなります。

つまりやってもやらなくても変わらないが顕微授精はしないほうが成績が高いとなっています。もちろんその方が追加の費用もかかりません。

生殖医療は不要な技術は可能な限り使わないこと、これが生まれてくる子供に対しても好ましいことです。