PGT-Aにより出産率は向上するか? | 両角 和人(生殖医療専門医)のブログ

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PGT-Aに関して2021年の11月ににThe new england journal of medicine掲載された論文です。The new england journal of medicineはインパクトファクターが176であり世界で一番インパクトファクターが高い雑誌です。生殖医療の論文がThe new england journal of medicineに掲載されることはそれほど多くなくかなり貴重な内容でないと掲載されません。

今回の内容はPGT-Aが累積出産率を上げるかどうかを調べている内容で興味深い結果です。

結果をまとめると以下のようになります。

合計 1212 人の患者が無作為に検討され、606 人が検査の群に割り当てとなりました。

出産率はPGT-A 群の 468 人の女性 (77.2%) と従来の IVF 群の 496 人の女性 (81.8%) 

(絶対差、-4.6 %; 95% CI、-9.2 ~ - 0.0; P < 0.001)。

臨床的流産の累積頻度は、それぞれ 8.7% と 12.6% でした (絶対差、-3.9% ; 95% CI、-7.5 ~ -0.2)。 

産科または新生児の合併症およびその他の有害事象の発生率は両群間で同程度でした。

結論

良好胚盤胞が 3 つ以上ある場合で、従来の IVF(PGT-Aを行わない) による累積出生率は、PGT-Aを行なった場合による出生率よりも劣っていませんでした。

この論文から言える結論としては、PGT-Aを行うことにより効果があるとは言えないとしています。

 

 

The new england journal of medicine 385;22 nejm.org November 25, 2021

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