卵子の細胞質に顆粒状のザラザラしたものが見える場合その後の胚の発生に影響を与えるという内容の論文です。今月号のFertility and Sterilityからです。
以前から気になっていた内容だったので読んでいてまあその通りだろうと思いました。
(卵子の見方はこちらを参考にしてください。)
この下の様にA,B,C,Dにおいて卵子の状態は見た目でかなり異なることがわかります。
Aが最もクリアで綺麗な卵子です。Bは中央に部分的に顆粒状のものが見えています。Cは全体的に広がっています。Dは不均一な顆粒で占められているものの、細胞質の一部の領域を占める大きな顆粒生成物「岩石様」パターンを示しています。
この下のグラフはそれぞれの受精率を表していますが、やはり細胞質が綺麗なAが一番成績が良いことがわかります。
この下のグラフはそれぞれの卵子による妊娠率や出産率を見ていますがやはり細胞質のが綺麗な方が成績が良くなります。
結論
今回卵子の細胞質の顆粒状の見え方でその後の受精率や妊娠率や出産率を調べておりそれらが相関していることが認められました。今後我々はこの様な知見をもとに胚盤胞だから良いということではなく、卵子の時はどうだったのかを踏まえどの胚を移植すべきかを考えていかなければいけないと言えます。
Fertility and Sterility® Vol. 116, No. 2, August 2021
Predictive value of cytoplasmic granulation patterns during in vitro fertilization in metaphase II oocytes: Part I, poor-prognosis patients