胚盤胞の染色体異常があるかどうかを胚培養の動体から推測できないかという内容の論文です。
先月号のFertility and Sterility に掲載されています。スペインからの報告です。
今回の論文では1511個の胚を検討しています。
この下のグラフにあるように母親の年齢が上がると胚の異数性が上昇します。
しかし父親の年齢が上がっても異数性は増えません。
このしたのグラフは胚盤胞の染色体と胚のグレードをみています。
正常胚の場合66.9%はグレードAとBです。
モザイク胚の場合52.8%がグレードAとBです。
一方以上胚の場合47.7%がグレードAとBとなります。
つまり胚のグレードと染色体の異数性は相関することがわかります。
この下のグラフは胚の異数性とタイムラプスで見た分割速度を比較検討しています。
結論として発育速度が早い方が正常胚となる確率が高い事がわかります。
結論として
胚をタイムラプスで観察しながら異数性があるかどうかを完全に見分けることは難しいと言えますがかなりの確率で相関してきます。そして今後更なるデータの蓄積とAIの診断を入れることでより精度の高い診断が可能になるのだと思われます。
Fertility and Sterility® Vol. 116, No. 1, July 2021
The morphokinetic signature of mosaic embryos: evidence in support of their own genetic identity