不妊治療のゴール | 両角 和人(生殖医療専門医)のブログ

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生殖医療専門医の立場から不妊治療、体外受精、腹腔鏡手術について説明します。また最新の生殖医療の話題や情報を、文献を元に提供します。銀座のレストランやハワイ情報も書いてます。

不妊治療のゴールは「子供を連れて家に帰る事」です。


ゴールは

不妊の原因を診断する事ではありません。

不妊の原因を治療する事でもありません。

 

例えば

卵管が閉塞していても

精子が少なくても

子宮筋腫があっても

クラミジアに感染していても

不妊の原因が分からなくても

とりあえず妊娠して子供が生まれれば

それで良しとする。

これが不妊治療の他の病気とは決定的に違う所です。

 

他の病気の場合、病気を治さない事には話になりません

不妊症は別に生死に関係する病気ではないため

途中経過はこの際気にしない、

という考え方も時には必要です。

 

不妊の病気を治さないまま、

不妊の原因を診断しないまま

妊娠してしまう事が不本意、

そう思う人は余りいないとは思うのですが

不妊症とはそういう特殊な病気である、

という事を理解する必要があります。

 

体外受精がその典型例です。

誰も好きで体外受精をしているわけではない、

そう思います。

本当は自然妊娠したいのだけど、

今後自然に任せていても妊娠しないかもしれない、、、

一刻も早く子供が欲しい、、、

そう思って、割り切って、しょうがないと思って

とりあえず子供が出来れば、

不妊の原因や、

その過程はこの際割り切って考えよう

そういう考えで頑張っている人が多いと思います。

 

確かに体外受精の治療は辛い事だと思います。

金銭的にも、時間的にも、

肉体的にも過酷なものです。

特に、先が見えない治療に対して、

そのストレスは並大抵のものではありません。


ただ、その努力に十分見合うだけの、

かけがえのない宝物を手に入れる事が出来ます。

 

決してあきらめないで、自分を、

自分たちを信じて頑張って下さい。