染色体異常は不妊クリニックにより引き起こされている | 両角 和人(生殖医療専門医)のブログ

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生殖医療専門医の立場から不妊治療、体外受精、腹腔鏡手術について説明します。また最新の生殖医療の話題や情報を、文献を元に提供します。銀座のレストランやハワイ情報も書いてます。

一つの考え方としてですが、以下の様な考え方があります。

 

今の培養システムや培養液のクオリティが高すぎて、本来ならば受精や分割すらしない胚を育てて、その胚を移植して、その結果として流産になるという考え方があります。

 

自然の場合、胚盤胞ができる確率は若い方でも良くて約25%というデーターがあります。

 

しかし体外受精の場合、年齢が若い場合5割程度胚盤胞になります。場合によっては7割以上胚盤胞ができることもあります。

 

自然の場合、少し過酷な培養環境になるケースもありますが、体外の培養システムの場合、胚の欲しいものを全て与えて、胚を甘やかして培養して、その結果染色体異常の胚盤胞を増やしているに過ぎない、ということになるのかもしれません。

 

培養環境、培養液を根本から見直して、しっかりと生存できる胚のみを育てるような「胚を選別できるセレクションメディウム」の開発が求められています。

 

過去の記事も参考にしてください。

胚盤胞培養の限界

 

 

染色体異常は不妊クリニックにより引き起こされている

施設によってピンキリな事がわかります。PGT-Aをしているから良い施設にはなりません。培養士の技術が未熟な場合や、培養環境を正確に保てていない施設はなおさら染色体異常の胚を多く造り得ることになります。