凍結胚移植は自然周期かホルモン補充か? | 両角 和人(生殖医療専門医)のブログ

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凍結融解胚移植は自然周期(排卵を利用して移植を行う)とホルモン補充(エストラーナなどを用いる方法)で行う方法があります。
どちらが妊娠しやすいかに関しての論文がありましたので紹介します。
 
以下の様にホルモン補充でも自然周期でも妊娠率や出産率には有意差が無い事がわかります。
 
この下の表は年齢別にみていますがどの年齢でもホルモン補充療法でも自然周期でも出産率には差が無い事がわかります。
この結果から言える事として
凍結胚を移植する場合には自然排卵を利用して移植する方がコストもかからず薬の副作用もなく好ましいと言えます。特に近年の論文では自然周期の方が胎盤へのトラブルも減り周産期の合併症も減ります。まして成績が同等ならば自然排卵を利用しながら移植を行う事が良いと思われます。
ただ生理周期が不順な方や多忙で土曜日に移植を行いたい方はホルモン補充で移植を行う事は検討して良いかと思います。

Impact of method of endometrial preparation for frozen blastocyst transfer on pregnancy outcome: a retrospective cohort study
Fertility and Sterility® Vol. 110, No. 4, September 2018