アメリカでは近年人工授精に提供精子の使用が激増しているという論文です。
この下の図の様に明らかにここ数年提供精子の使用が増えています。10年前の10倍、この数年で実に3倍です。2016年には440986名の方が提供精子を用いて人工授精を行なっています。
提供精子の年次ごとの推移を見ています。近年の多さが一目でわかります。
アメリカでは日本と異なり提供精子がかなり使われています。また下の表にmixedと書いていますが、これは夫の精子と提供精子を混ぜて使用していることを示しています。その意味としてミックスされた場合でも精子の大多数は提供精子ですがそれに極小の夫の精子を混ぜることでもしかしたら夫の精子が受精に関わっているのかもという精神的なサポートも含んでいるとのことです。
この結果から言えることとして
日本では提供精子を用いた人工授精の治療はほとんど行われておりません。ただアメリカではここ数年激増しています。価値観やカップルの多様性など国により異なる事がその理由ですが、アメリカの傾向としては白人で都市部に住まれている方がこの様な治療を受けている傾向が高いという事です。
Fertil Steril. 2019 Oct;112(4):718-723.
Estimates of donated sperm use in the United States: National Survey of Family Growth 1995-2017