ニューヨークの病院で全分娩患者にPCR検査(ユニバーサル・スクリーニング)を行ったところ、症状のない妊婦の13.7%がPCR陽性であったことが報告されています。
以下論文の詳細です。
2020年3月22日から4月4日までの間に215人の妊婦がニューヨークPresbyterian Allen病院とコロンビア大学Irving Medical Centerで出産しました。
すべての女性は、入院時にCovid-19のPCR検査を受けました。 4人の女性(1.9%)は入院時に発熱または感染症状があり、これら4人の女性全員がPCR検査で陽性でした。
症状のない211人の女性のうち、全員が入院時には発熱はありませんでした。
PCR検査は症状がなかった211人の女性のうち210人(99.5%)から採取されました。これらの女性のうち、29人(13.7%)がPCR検査が陽性でした。
入院時に検査が陽性であった33人の患者のうち29人(87.9%)は、診察時に感染症状はありませんでした。
下のグラフは215名の産科患者の症状とPCR検査結果です
この結果から言える事として、発熱などの症状がなくても一般の患者さんや妊婦さんの中に一定数の新型コロナウイルス陽性者が存在することを示しています。もちろんニューヨークと日本は感染状況が異なるものですが、日本の慶應大学病院からも新型コロナ以外の患者さんにPCR検査したら、約6%が陽性だったと発表しています。
Sutton D, N Engl J Med. 2020 Apr 13. https://www.nejm.org/doi/10.1056/NEJMc2009316)
Universal Screening for SARS-CoV-2 in Women Admitted for Delivery