自然周期でも刺激をしても胚の異数性は変わらない | 両角 和人(生殖医療専門医)のブログ

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「注射をすると卵子の質が低下するのでしょうか?」

「自然周期だと胚の質が良くなるのでしょうか?」

この様な質問を度々受けます。

今月号のFertil Sterilに掲載された論文では「自然でも刺激しても胚の質は変わらない」と言うことが示されています。

 

胚の異数性は年齢が上がると共に自然周期でも刺激周期でも高くなることが示されています。

両群(自然&刺激)に有意差は認められていません。

正倍数性の胚盤胞の持続的な着床率は自然および刺激されたIVF周期で同等でした。

 

結論

異数性胚の割合は卵胞刺激の注射(外因性ゴナドトロピン)の影響を受けていません。

今回の結果から、注射をすると胚の染色体に異常をきたすと言う懸念はないと言うことになります。

Embryonic aneuploidy rates are equivalent in natural cycles and gonadotropin-stimulated cycles

Fertil Steril  October 2019Volume 112, Issue 4, Pages 670–676