全ての方が妊娠できる事はなく治療を終える事を考える事もあります。
これに関しての参考になる論文がFertil Steril. にありましたので紹介します。
以下論文の要約となります。
子供を持つ事は人生において非常に重要な事であり、大きな目標としている夫婦は多いです。多くの夫婦はこの目的を達成しますが、全ての方が自然に子供を持てるわけではなく、生殖医療に頼るケースもあります。
現在体外受精などにより多くの方が恩恵を受けています。
受診される方はこの技術を楽観視しているカップルもいます。ただ不成功に終わる方も少なからずいます。その場合メンタルヘルスに対してのカウンセリングが重要になります。
今後の医療を続けても困難な場合や費用的な観点で継続が難しい場合、治療を続ける事を断念する事になります。
ASRM(アメリカ生殖医学会)は治療を断念すべき時の定義として生児出産率が1%以下という定義を提案しています。
ASRMの倫理委員会は医師と患者との十分な話し合いを提案しています。しかし医師による説明が難しい場合もあり患者に理解してもらう事が困難なケースもあります。
またカップルが肉体的にも精神的にも疲弊し、経済的な問題もあり、治療を終えたいと考えているケースもあります。
治療の終焉に関しては難しい問題が多く、このような場合、専門的な知識があるカウンセラーによるカウンセリングが求められ、中立的かつ共感しながら支援する事が求められます。
Fertil Steril. 2015 Aug;104(2):267-70