生殖細胞と体細胞 | 両角 和人(生殖医療専門医)のブログ

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生殖医療専門医の立場から不妊治療、体外受精、腹腔鏡手術について説明します。また最新の生殖医療の話題や情報を、文献を元に提供します。銀座のレストランやハワイ情報も書いてます。

生殖細胞と体細胞、どちらが偉いでしょう?

偉いという表現は変ですが、主従の関係はどうかという事です。

(生殖細胞とは精子、卵子の二つです。体細胞とはそれ以外の細胞です。)


普通は体細胞が考えて行動しており、生殖細胞を従えていると考えていると思います。つまり脳、心臓、皮膚、内臓、筋肉、骨等がその人を作っていて、体が無い事には何も始まらないと。


しかしそれは本当にそうでしょうか?

私が考えるに、生物遺伝学的にみると一番大切なのは精子、卵子の生殖細胞であると。精子や卵子を次の世代に伝えるために我々体細胞はお仕えしていると。


例えると女王蜂が生殖細胞で、働き蜂が体細胞です。働き蜂ももちろん大切で女王蜂だけでは種は滅びますが、やはり女王蜂を支えて蟻の生態系は成り立っているといえます。そういう意味で我々体細胞は精子や卵子のために(種を保存するために)生きているという事です。


病気や事故等寿命で我々個々が死んでも、生殖細胞のリレーを行う限り人類は滅亡せずに済みます。生殖細胞に支配され、我々は子孫を残すために日々生きているのであると。