マイクを使わないのは珍しい・・・かな。 | 木村和人、パパ木村、或いは、キムキムと呼ばれる男。

木村和人、パパ木村、或いは、キムキムと呼ばれる男。

ほぼ三つの呼び名が存在しますが、ほぼ同一人物かと思います。

ごくごく稀にジャズクラブなどで演奏させていただく時は、すぐ目の前にお客様のテーブルがありますから、自分の音をマイクを通す必要がありません。
それ以外のライブハウス等などでは、基本マイクでとってスピーカーから音を流します。

も一つ、5年ほど前からご一緒しているクラシック・フルーティストの上松明代さんの演奏は完全生音です。
毎年、違うホールを使ってソロ・コンサートをされているのですが、そのハコの鳴りは千差万別。
特に、大好きな楽器・カホンはマイクを使わない場合、その音の響きは会場に大きく左右されるので、楽曲の中でどう使うか、特に楽器持ち替えの時の音量の行方に中りをつけるのが難しいところです。


ということで、先のエントリを珍しく演奏について書きましたので、今回はホールについて(楽器も前エントリとほぼ変わりませんし)。

私はクラシックのアーティストと一緒にやることは殆どありませんから、クラシックで使うことの出切るホール自体にもさほど出演したことがありません。

が、今回のホール は300席規模で座席の位置如何に関らず、ほぼ同音量・同音質(リハ時に座席中央・最後尾、及び、前後各位置での両端で聴取)で聴くことができるという、いわゆるライブハウスではありえない構造だったので、取り上げてみました。

まず画像①.

↑完全に舞台の三方向を反射壁で囲い込まれています。
この壁は折りたたみ・吊り下げ式で、演目によって収納されたり使われたり、大掛かりな装置となっています。

画像②

「3方向が囲まれている」→上・下の出入り口も演奏時は閉められます。
何故あの高さまではギザギザの壁なのか・・・これも、計算された音響の科学のなせる業でありましょう。

画像③
客席横の壁のつくり。
上部と下部で波状のパタンをずらしてあります。
これも、何かの仕掛けなんでしょうね・・・・。
因みに、画像では分りづらいですが、上部の波状壁に3つ見えるのは照明器具です。
これもシェードが波型にあしらわれており、まさかこれも音響上のものなのか、はたまた単なるデザイン上のことなのか・・・。

あと、写真を取り忘れましたが、小さなお子様連れの方には座席後方に「多目的鑑賞室」なるものがあり、ガラス張りで隔離されたお部屋から他のお客様を気にせず鑑賞することができるようですが、これは演奏中に気付いたので、音に関してはどうなっているのかは不明。
多分スピーカーからの音聞くのかな?


で、天井もなナウシカのオームみたいだし、会場自体が一つのスピーカーに鳴っているようで、そんな訳で客席のどの位置にいても同じような音量・音質で楽しめると。

それから良くあるのがお客さんが入ると音が変わるとか吸われるとか言う話。
これは、本番中は客席で聞けないのでリサーチが出来ませんでしたが、演奏している分には特に相違はなかったように感じました。

なにしろ、天然(正確には天然では無いけれども)のリバーブ(残響)がスゴイ!

ダン!

とやりますと、2秒くらいふわっと余韻が残ります。
まさにクラシックをより豊かに聴かせることのできる構造で、良い環境は良い演奏を生む・・・上松さんが朗々と唄っておりました。


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