Moto3/KTM Rear wheel cover | 坂田和人 オフィシャルブログ Powered by Ameba

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第11戦 オーストリアGPからKTMのMoto3マシンに「Rear wheel cover」を装着したようです。<motogp.com

Red Bull KTM Ajo/P.アコスタの走行中での画像です。(スクショで動画から取り出しました)

 

予選や決勝では、LIVEで起きていることを中心にお伝えしているため、それ以外のことを細かにお伝え出来ない時があるのでブログでお伝えしようと思います。

 

 

 

画像を拡大して良く見るとホイールリムとディスク面に僅かな隙間が確認できます。そして、ディスク面に小さな穴が空いています。

この作りから推測すると、通常のホイールもしくはそれに近い形状のホイールに円盤状(ディスク)のカバーを左右から被せ、それを画像で見て取れる穴から留めているのでしょう。

画像で穴は1箇所しか写っていませんが、動画ではこの穴が4箇所存在しているのが確認できます。

そうなると、ホイールの剛性アップを狙ったもの(ディスクホイール)と言うよりは、空力面の向上を狙ったものと考えられます。

 

 

ロードバイク(自転車)にも、ホイールカバー(単にホイールにカバーをしたもの)と、ディスクホイール(ディスクにより剛性面を変えたもの)が存在します。

 

私も1991年チェコGPで同じようなカーボンファイバー製 (炭素繊維) の「Rear wheel cover」をテスト走行したことがあります。ディスクの留め方もアコスタのRホイールと似たような形でした。

 

当時のコンディション(風)とコースレイアウト(コーナー切り返しのスピードレンジ)では、ライダーが感じるほど操縦安定性に特に大きな影響は与えませんでした。

しかし、30年も前に作ったものですから、ホイールカバーはとても重い作りでした。そして、当時は風洞実験をした訳でもなし、データロガーを積んでいた訳ではなかったので、正確な違いを数字で確認することが出来ていませんでした。

また私が当時使用したものは、バネ下の重量増加によりホイールの転がり抵抗も増えます。デメリットでしかありませんでしたので、決勝レースでは使用しませんでした。

 

アプリリア時代に使っていたカーボンホイール (フェラーリ製) は、バネ下荷重が軽減されてその操縦安定性は好きでした。しかし、マシンセッティングや天気・路面コンディションによって使い分けする時もありました。

カーボンホイールの値段は、1本、数十万円で「フェラーリ製」だから仕方ないですね。

 

話が逸れましたが…。

現在は技術の進歩 (炭素繊維) により昔よりディスク面をもっと軽量に作れるし、メーカーが作るものであれば風洞実験で数字的な効果は検証済みのはずです。

バネ下の重量と横風の影響に問題がなければ、「Rear wheel cover」を装着する価値があると思います。ただその空力の違いを体感できるかと言ったら「…。」だと思います。

 

今後、Moto3クラスも空力パーツが流行の時代となるのかな?!

 

空力と言えば、MotoGPのトレンド=DUCATIの話もしたいのだけど、それはまたの機会にしますね。

 

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Twitter <@kazuto_sakata>

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